それを記念して、ひょっこりはんにインタビューを敢行。同書のことはもちろん、怒涛の2018年の総括、来年の目標についても語ってもらった。
ーーこの「ひょっこりはんをさがせ!」のシリーズはどんなきっかけで始まったのですか?
宝島社さんが声をかけてくれて、企画を持ってきてくれたんですよ。『こういうのやりたい』って。それがはじまりです。でももともとSNSでいろんなところに隠れて『“ひょっこりはん”どこだ?』ってやってたので、『僕もそれやりたいです』って言った形ですね。
――第1弾は10万部を突破。反響はありましたか?
ありましたね。1週間で増刷がかかって本屋さん、ネットも売り切れで追いついてないとか。子供に渡したら喜んでくれてたとか、直接聞きました。芸人さんも買って息子に渡して「喜んでくれてた」って言ってましたね。
そういうお子さんを持つお父さんお母さんから反響がありますね。芸能人の方とか辻希美さんがアメブロでお子さんとやってくれたり。そういうので広がっていったと思います。
――ヒットの理由は何だと思いますか?
「探す」というゲーム性と、『ウォーリー(をさがせ)』とは違う、僕の芸でクスって笑えるおもしろさが他のものとは違うと思いますね。僕は「おもしろい」と思ってたので、それが数字に出てきたのかな。
――見どころはどんなところですか?
前作は世界遺産で、今作は日本全国。「世界遺産に行きたいけど行けないよな」って思って自分で提案して「すごいところでひょっこりしたい」って思って。勉強もできるんじゃないかと思いました。今作は日本でいろんな地方に絵本上で行きました。(各地の)名産も載ってますし、大人の人も知らないこともあったりするので、勉強になると思います。
――お気に入りのページは?
東京とかはけっこう好き。パッと見て「おもしろそう」って思ったのが渋谷のスクランブル交差点なんですけど。この中でいろんな事件が起きていますので、それを見るのも楽しいです。
あとは最後の写真の中に合成した「リアルひょっこり」のページ。これも見てておもしろいですね。アルファベットの「ABC」からひょっこりしているページも意外と好き。無茶な「ひょっこり」のポーズをしているんですよ。長時間できないので『今、今、撮って!』ってカメラマンさんに言ってY字バランスをしたり、苦労もあったけど、意外とおもしろくできました。小さいお子さんがアルファベットを学ぶきっかけになればな、と思いました。
――どんな人に手に取ってもらいたいですか?
全員に手を取ってもらいたい。老若男女問わず、幅広い年齢の方に楽しんでもらえると思います。
――今後もこういった作品は作っていくのでしょうか?
営業に行くと子供たちの中に『ひょっこりはんをさがせ!』で自身の存在を知ったって子がいるんですよ。病院の待合室にも置いてあるみたいです。そういうのがいいなって思う。絵本に限らずですが、自身のキャラクターを使ったものはもっと作っていきたいな、と思いますね。
――ご自身が思う「ライバル」はいるのでしょうか?
僕、ライバルを『アンパンマン』って言ってるんですよ。
“ひょっこりはん”を突き詰めていくと「ザ・芸人」って感じじゃないですよね。「お笑い芸人」という言葉で自分を縛るのは良くないなって思います。芸人だから「いろんなネタをやった方がいい」と言われるけど、そこに行ったらダメだと思うんです。
そう考えたら延長戦上に『アンパンマン』が(笑)。子供って、ずっとアンパンマン見てるし、強いですよね。
――そう思うきっかけはあったんですか?
この間、地元の小さいお子さんがいる幼なじみの家に行ったんです。話しかけてもこっちを全く見ず、ずっと『アンパンマン』を見てたんですよ。人見知りっていうのもあったんでしょうけど。全然心を開いてくれなかったですけど、最後に『ひょっこりはん!』ってやったらめっちゃ笑ってくれたんですよ。2時間くらいかかりましたけど、その時にアンパンマンにライバル意識を燃やしましたね。
――2017年、大みそかの「おもしろ荘」でブレイクした。2018年を振り返っていかがでしたか?
激変しましたね。「これ以上のことは今後訪れないだろう」っていう(ほどの)変化の年でしたね。休みなく働いて、人の見る目も変わって“ひょっこりはん”になれた年でしたね。
――2019年の目標はありますか?
子供たちがいろいろおもしろがってくれることを発信していきたいですね。外国にも行ってみたいし、もっといろんな人に広げたいなって思います。
【作品詳細】
作品名:もっとひょっこりはんをさがせ!
著者:ひょっこりはん
定価:980円(税抜)
12月20日発売