新馬戦は好位抜け出し。札幌2歳Sは中団からの差し切り。そして、ラジオNIKKEI杯2歳Sは逃げるリーチザクラウンを大名マーク。直線並ぶ間もなく交わすと、0秒7差突き放す驚異のパフォーマンスを披露している。
極め付きはTR・弥生賞。スタートと同時にハナに立つと、そのまま一気に逃げ切ってしまったのだから恐れ入る。ことほど左様に変幻自在で死角は見当たらない。
弥生賞の後は例によって、短期放牧(3月20日に帰厩)を挟んだが、「追い切りを含め、ここまでイメージ通りにきています」と萩原調教師は余裕しゃくしゃくだ。
それを証明するように、1週間前追い切り(8日)は南Wコースで、5F67秒7→51秒9→37秒5→12秒0(G一杯)をマーク。外のベルスリーブ(古馬1000万)に2分の1馬身先着と、順調な仕上がりをアピールしている。
弥生賞時と比較して萩原師は「息遣いと反応がとくに良くなりました。体つきもシャープになってます」と笑顔を見せた。本番では一段と進化を遂げ、スケールアップした走りを見せてくれるに違いない。
西高東低といわれて久しいが、ロジユニヴァースはいまや関東の救世主的な存在となった。トレーナーもそれを認識したうえで、いざ本番へと向かう。
「関東馬からクラシックで1番人気になるような馬は近年出ていませんし、西高東低ムードもありますから、関東馬全体の評価が上がり、信頼を回復できるようなレースができればと思います。今年に限っては自分の担う役割は大きいと思ってます」
関東馬が1番人気に堂々応えて皐月賞を優勝したのは昭和の時代、実に1985年のミホシンザンまでさかのぼる。平成初の快挙へ向け、萩原師は不退転の決意で“1冠”奪取を目指す。