ちなみに“三冠王”の三つの冠とは、全日帯(午前6時〜深夜24時)、プライム帯(午後19〜23時)、ゴールデン帯(午後19〜22時)の三枠。いずれの時間帯でもトップを取ることを視聴率三冠王と呼ぶ。
注目の年度視聴率だが、3週間を残した時点で全日帯のトップは日テレの8.1%、2位はテレ朝の7.7%、3位はフジの7%、4位はTBSで6.2%。プライム帯はトップがテレ朝の12.2%、2位が日テレで12%、3位がフジの10.7%、4位はTBS9.6%。ゴールデン帯は1位が日テレの12.1%、2位はテレ朝の11.8%、3位はフジの10.4%、4位はTBSの9.8%という具合だ。
「全日帯は日テレが取るでしょう。注目されるのはプライム&ゴールデン帯。テレ朝も、日テレの三冠王阻止を目標に最後の特番編成をしています」(広告代理店関係者)
民放各局が視聴率三冠王にこだわるのは、広告収入に直結するため当然の話。
「堅調な日テレは、スポット広告の収入が伸び、売上高が前年同期比2.9%増の2513億円、最終利益は9.3%増の203億円だった。'13年年間視聴率初のゴールデン&プライム帯を制したテレ朝も同様の理由で売上高が5.7%増の2010億円、最終利益は13.5%増の95億円となった。年間二冠を取ったテレ朝が日テレに勝てないのは、これまでの貯金と信用の差があるからです」(広告マーケティング会社関係者)
一方、視聴率が振るわなかったフジとTBSの収入は、目を覆いたくなる有様。
「フジは最終利益が48.8%減の137億円。TBSもドラマ『半沢直樹』のメガヒットがあったにもかかわらず、他番組の低視聴率がたたり減収になった。最終利益は約2.5倍の79億円ですが、フジが視聴率三冠王を取っていた時の利益は今の5倍以上もあったんです」(民放キー局幹部)
もっとも、番組視聴率がここまでテレビ局の売り上げに深刻な影響を与えるようになったのは、この3〜4年のことだという。
「それこそ昔はお付き合いで視聴率に関係無くスポンサーがCM出稿してくれましたが、いまやコストパフォーマンスを考えるようになった。視聴率三冠王はその基準になるんです」(広告代理店幹部)
芸能界も注目する年度視聴率三冠王バトル。日テレの三冠か? それともテレ朝の二冠か?