アメリカ・ミシシッピ州で、子供部屋に設置した見守りカメラに何者かがアクセスし、子供に嫌がらせをしたと海外ニュースサイト『CNN』と『Digital Trends』が12月13日に報じた。
報道によると、看護師として働いている同州に住む母親は、夜勤中も8歳の娘の様子を知ることができるように、娘の部屋に見守りカメラを設置したという。見守りカメラは双方向音声通信ができる仕組みで、母親は娘の部屋の声を聞くことができると同時に、母親もスマートフォンで見守りカメラについているスピーカーを通じて、家にいる娘に話しかけることができる。見守りカメラは自宅のWi-Fiを通じて通信をする。
見守りカメラを設置して4日後、母親が家の別の部屋にいる時、娘が娘の部屋で誰かと話しているのを聞いたそうだ。不思議に思った母親が見守りカメラに残っていたデータを確認すると、設置してから4日間の間で何回か、何者かが見守りカメラのスピーカーを通じて娘に話しかけ、踊りながら歌を歌うよう命令したり、娘にホラー映画のストーリーを語り、娘を怖がらせたりしていた。娘がスピーカーから話しかけている男に「あなたは誰?」と尋ねると、男は「私はサンタクロースです。あなたの親友だよ」と答えていたという。
『CNN』と『Digital Trends』は、実際に見守りカメラに残っていた映像を公開しているが、映像には明るい声で娘に向かって親友だと話しかけるハッカーと、見守りカメラからハッカーに話しかけられ、戸惑い、身動きが取れないでいる娘の姿が映っている。
母親は見守りカメラを娘の部屋から撤去し、警察に通報した。警察の調査によると、何者かが見守りカメラをハッキングしていたことが分かったという。なお、犯人は2019年12月現在捕まっていない。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「子供を守るための見守りカメラが子供を危険に晒すことになるなんて恐ろしい」「娘のトラウマにならなければいいが」「うちの見守りカメラもハッキングされるかもしれない。心配」「実際の映像を見たけど、元気に話しかけるハッカーの声がかえって気持ち悪い。大人でもトラウマになるレベル」「実際の映像に残っていたハッカーの声を聞くと、ハッカーは若者のような気がする」などの声が挙がっていた。
海外では、見守りカメラがハッキングされた事件が他にもある。
アメリカ・ワシントン州で何者かが見守りカメラをハッキングし、当時3歳の娘に話しかけていたと海外ニュースサイト『New York Post』が2019年11月に報じた。同記事によると、娘の両親は共働きだったため、家を留守にする時は娘の部屋に自宅のWi-Fiを通じて双方向音声通信ができる見守りカメラを設置し、娘の様子を見守っていたという。
設置して6か月後、娘が母親に「誰かが私に話しかける」と言った。不思議に思った母親が見守りカメラのデータを確認すると、見守りカメラを通じて男が娘に「愛してるよ」と話しかけていたという。
母親は見守りカメラのプラグを抜いて、警察に通報した。警察の調査により、何者かが見守りカメラをハッキングしたことが分かったそうだ。なお、2019年12月現在、犯人が捕まったかどうかは分かっていない。
日本国内でも普及し始めている見守りカメラ、設置する際はハッキングされるリスクが少なからずあるようだ。
記事内の引用について
A hacker accessed a family's Ring security camera and told their 8-year-old daughter he was Santa Claus(CNN)より
https://edition.cnn.com/2019/12/12/tech/ring-security-camera-hacker-harassed-girl-trnd/index.html
Hacker accesses Ring camera in little girl’s bedroom to tell her he’s Santa(Digital Trends)より
https://www.digitaltrends.com/news/hacker-accesses-ring-camera-in-little-girls-bedroom-to-tell-her-hes-santa/
Stranger hacks baby monitor, tells little girl ‘I love you’(New York Post)より
https://nypost.com/2019/11/25/stranger-hacks-baby-monitor-tells-little-girl-i-love-you/