※オリックス1勝2敗
▽5日 京セラドーム大阪 観衆23,858人
「あぁ〜」
0-4。オリックスはリードを奪われていた。5回裏、2死から若月、宗の連続ヒットでランナー1、2塁とし、追撃ムードが高まった。続く大城にロッテ先発の涌井がフルカウントで投げたボールは大城の手首を直撃。オリックスファンの悲鳴のような声、ロッテファンのため息に似た声が京セラドームを一斉に包んだ。
しかし、坂井球審はデッドボールのジェスチャーをした後にまさかのアウト宣告。確かに大城は打ちに行っていたが、スイングとはみなされない。キャッチャーは球を取れなかった。仮にボールがバットのグリップに当たっていたとしてもファールだ。アウトになるとは考えられない。
福良監督がベンチを飛び出し球場内が騒然とする中、審判団は協議の末にファールに訂正した。福良監督には「デッドボール(と主張したことにする)ならリクエストができますけどしますか?」と尋ねてきたという。
「何がアウトだか、わけがわからない。リクエストしたくてしたわけじゃない」と「ファール判定」に対するリクエストに応じた指揮官は怒りを通り越して呆れ顔。判定はファールからデッドボールに再度覆り、結果的に吉田正尚の2点タイムリーへとつながった。
責任審判の丹波二塁塁審は「球審はファールチップをキャッチャーが捕球したと判断した」といったんアウト宣告をした理由について説明した。しかし、一番問題なのはこれらの事実を観客に一切説明しなかったことだ。
球場で観戦していたファンに話を聞くと「あの場面は説明がほしかった」「何で金を払って球場に来てる俺たちが、SNSやネットニュースで後で事実を知ることになるんだ」「リクエストのルールをしっかり説明してもらいたい」など辛口な意見…というより不満が噴出していた。
リクエスト導入1年目ということもあり、今回のようなミスはまれなケース。審判団も気が動転していたのかもしれないが、最初の年こそ場内への説明は徹底的にするべきではないだろうか。
審判団には今回の失敗をしっかりと活かしてもらいたい。
取材・文 / どら増田
写真 / 舩橋諄