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【声優の履歴書】第77回『機動戦士ガンダム』マチルダ・アジャン、『それいけ!アンパンマン』アンパンマンを演じる戸田恵子

 声のお仕事である『声優』。顔の見えない裏方のお仕事でありながら、近年はアイドルとの垣根がなくなって来ており、バラエティー番組や、歌番組などに出演することも珍しくなく、注目度が増している職業である。そんな人気声優をフィーチャーするこの連載。第77回目としてお届けするのは、戸田恵子。

 小学校5年生からNHK名古屋放送児童劇団に在籍し、『中学生群像』等で子役出演を果たす。1974年に上京し、16歳の時に「あゆ朱美」の芸名でアイドル演歌歌手としてデビューする。しかし歌手としては売れることはなく、リポーターなどの仕事をこなすバラドルのような状態だったという。そんな時、番組で一緒になった野沢那智から声を掛けられ、「劇団薔薇座」へ研究生として入団し、これより本格的に演技の勉強を始める。

 1979年に実写版『眠れる森の美女』のオーロラ姫役で声優デビュー。アニメ作品のデビュー作は『無敵鋼人ダイターン3』である。今では女性声優で多く見られるアイドルから声優に転向し成功した先駆けとなった。翌年1979年『機動戦士ガンダム』マチルダ・アジャン役で知名度を上げ、同年の『ベルサイユのばら』でも役名なしで出演している。1980年には同じく富野由悠季監督の『伝説巨神イデオン』カララ・アジバ役を演じ、EDテーマ「コスモスに君と」を歌っている。

 その後も声優としても好調で、1981年『新・ど根性ガエル』山中ヨシコ役、1983年『キャッツ・アイ』主人公・来生瞳、1985年『ゲゲゲの鬼太郎(第3作)』主人公・鬼太郎、1988年『それいけ!アンパンマン』主人公・アンパンマン、1989年スタジオジブリ作品『魔女の宅急便』おソノ、1990年『きかんしゃトーマス(フジテレビ版)』主人公・トーマスなど、国民的作品の主人公や重要な役柄を多数演じている。洋画吹替えでは、ジェイミー・リー・カーティス、アニタ・ムイ、ジュリア・ロバーツ、ジョディ・フォスターらを担当。

 現在も声優業を続けており、今年3月30日スタートの連続テレビ小説『まれ』では「語り」を務めることが決定。女優であり声優でもある稀な存在として、更なる活動の場を広げている。

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