まず、丸岡は「私も6年近く不妊治療をしていたんですけど、途中で流産してしまって。『もうすぐ赤ちゃんに出会えるかな?』って期待するんですけど、またドン底みたいな状態に…」と期待を持って不妊治療を受けていたが、なかなか妊娠できず、精神的にかなり疲弊したと話す。
続けて、孤独感を和らげようと、不妊治療を受けている人との交流を試みたが、「流産してしまった話を私がすると、治療途中のお友達まで自信を喪失してしまうケースもあるんです」と自身の体験談を話すと、ネガティブな気持ちになる人も少なくないため、治療中は誰にも苦労を打ち明けられなかったと語った。
また、ロシアで代理出産を行う前に、アメリカでも不妊治療を受けていたと話す丸岡。「(アメリカでは)日本と違って、産婦人科医の先生と精神科医の先生と、そして当事者の3人が必ずセットで動く。日本とは心のケアが少し違うのかなという思いになりました」とアメリカでは、不妊治療を受ける人のメンタルヘルスも重視している点を指摘し、日本の不妊治療の配慮の無さを嘆いた。
ネット上では、「日本は出産や育児にも理解がなさすぎ」「もっと女性が産みやすい国になってほしい」「子どもができることは当たり前じゃない」など、不妊治療に理解のない国への厳しい意見が多く寄せられている。
昨年、NPO法人Fineが不妊当事者に行ったアンケートによると、約4割の人が「仕事と不妊治療の両立が困難で働き方を変えざるを得なかった」と答え、「働き方をどのように変えたか?」という設問には、約半数の人が「退職をした」と回答した。
日本では不妊治療に対しての認識が低いため、仕事を正規雇用から非正規雇用に変更する人や、退職せざるを得ない人も少なくない。
日本は、2030年には人口の31.1%が高齢者になると予想されている。そのため、不妊治療を気軽に受けられ、続けられる環境を早急に整える必要があるだろう。