「同社は上皇后さまの生家である旧正田邸の解体を請け負ったということもありました。ところが『旧正田邸を守る会』による保存運動が当時、テレビのワイドショーに連日取り上げられ、辞退を余儀なくされています。そのときの会見で、藤村一人社長はこう語っています。『日本に生まれ育った日本を愛する1人として、このような歴史的建造物を取り壊すというのは非常に残念ですから、機械でいきなり壊すのではなく、柱1本、梁も1つずつ、丁寧にきれいに包み上げるような仕事をさせていただき、記念に残るものは美智子さまにご返上申し上げたいと考えて解体工事の入札に参加させていただきました』と述べ、さらに『国民の皆様方の感情と私どもの感情が重なり合うことに気付き、辞退届を提出しました』と語っています。2世経営者ですが、元自衛官だけに国士といえる人物です」(同氏を取材したことのあるライター)
実はフジムラは、2020年のオリンピック競技場となる旧国立競技場の解体を請け負った会社でもあるが、その際「官製談合」を告発するという行動に出た。
「一般競争入札で不正(天の声)があったと、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)などを公正取引員会に告発したのです。その際、K建設興業に決まっているという証拠の数々を提出しています」(同・ライター)
結局、この解体工事ではフジムラは、競技場北側の工事業者に決まった。それにしても数億円以上掛かる作業を無償で行うとはカッコ良過ぎる。“漢気”に賞賛の声が殺到するのも当然だろう。