UFOと言えば誰もが思い浮かべるような、典型的なアダムスキー型UFOが写っている。ドーム状の上部とスカート状に広がった下部の二層構造で、下部には3つの丸い球体が付いている事が解る。これらは重力制御や姿勢制御等に用いられると考えられている。
さて、この画像については「夏の夜に木々の上を、音も立てずに飛行していた」という証言が存在しているものの、撮影者や目撃者の名前も不明で、厳密な撮影場所も判明していないという非常に真偽が曖昧なものであった。
そこで、早々から模型などを利用したフェイク写真ではないかという説が出てきており、実際に後年の検証ではUFOの上部に糸が存在することが判明している。
だが、いつ誰が目撃したのか明確になっていないためか、このUFO写真は様々な雑誌や書籍で「本物のUFO写真」と都合良く何度も紹介されてしまったらしい。そのため、この画像を検索してみると1967年にアメリカのノースカロライナ州で撮影されたものであるとか、1970年代に撮影されたものであるとか、中には目撃された時の様子が更に脚色を加えられているケースも存在している。
これは何も、このUFO写真にだけ限った話ではない。インターネットが存在する現在では、情報を検索していく事によって真実まで到達することは比較的楽になっているが、それでも多くのページを経由したり、海外のサイトまで足を延ばさなければならなかったりする。これが雑誌や書籍でしか情報源のない昔であれば尚更だっただろう。多くのフェイクや偽の情報が存在するジャンルだからこそ、確認・精査を行わなくてはならないのだ。
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所