それじゃあ、ここで空けさせてもらうわよ、と預かった封筒の留め金を外してから中身を取り出した。何やら金額の大きないろんな種類の小切手やトラベラーズチェックに混じって古い旧1万円札が100枚近く入っていた。これって世間知らずの私にだってなんだか金融詐欺っぽい雰囲気がプンプンよ。
ふざけんじゃないわよ、こんなもの運ばせるためにここまで連れてきたのね? 「じゃあ、いいよ。勝手にしな。オレはもうオマエには用はない」って、あのチビ、私をこの未知の土地に放置。
ホテルがどっちの方向さえもわからない、ああ深夜のタクシーはレイプ犯がいっぱいっていうし、どうしよう。すると、日本人らしきの中年カップルを発見。すぐさま、事の顛末をお話しすると、「こちらの警察は埒があきませんから、日本に帰られてから相談したほうがいいですよ」って、親切にもホテルまで送ってくれた。
掃き溜めに鶴、ってこうゆうことなのかしら。とにかくありがとうございます。ところが、ホテルに戻って初めて知った、あのチビ、宿泊代まだ払ってないじゃないの。一泊500ドル×3泊、ええっ、約140,000円! せっかくお店のみんなにお土産買っていこうとしたのに、所持金全部合わせても足りないわよ。でもこれって、当然私が払うのよね…なんて惨めな旅行なの、もうイヤ。二度とタイなんて来ないわよ。でも、これってヒトミの今までシテきたことに対するカルマなのかしら。そうなんですか? 仏陀さまぁ??
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