決勝戦に残ったファイナリストはトップリード、TKO、ロバート、ラブレターズ、2700、モンスターエンジン、鬼ヶ島、インパルスの8組。彼らが披露するネタを準決勝進出者(セミファイナリスト)の100人が採点する。
ロバートが1本目で披露したネタは役者への取材話である。ロバートらしい安定したネタが942点という圧倒的な高得点を弾き出した。しかし、点数では934点と劣るものの、むしろ2本目のネタがロバートの優勝に文句を付けられないものとした。
2本目は自動車修理工場のネタである。山本博が自動車の修理を依頼した顧客、馬場裕之が自動車工場の社長、秋山竜次が「おしゃべりのシゲ」と呼ばれる従業員である。山本が秋山の暴走に振り回される点は他のロバートのネタと同じであるが、ラストでは山本と馬場のポジションが逆転する。
1本目のネタでは秋山のキャラが突出し、馬場は秋山のアクセサリー的存在に過ぎなかった。これに対して最後に攻守を逆転させた2本目はトリオの醍醐味を出している。それはストーリーにアクセントを付け、同じパターンの繰り返しによるマンネリ化の回避にもなる。
この攻守逆転の面白さは惜しくも3位になったモンスターエンジンとも共通する。モンスターエンジンの2本目のネタはアトラクションのアルバイトの話である。先輩が新人にダメ出しするが、最後は新人がブチ切れするという逆転劇が用意されていた。
結末の逆転という点では前回の『キングオブコント2010』で優勝したキングオブコメディも同じである。キングオブコメディが前回2本目に披露したネタは自動車教習所の教官と教習生のコントで、教官の指示に教習生がボケ倒すというオーソドックスなものであった。ところが、ラストはデタラメな言動をしていた教習生の運転技量が中々のものだったというサプライズとなった。
『キングオブコント2011』では審査される側の芸人が審査員になるという独特の審査システムを採用している。そのために演者自身が「何が面白いか分からない」という2700の「キリンスマッシュorキリンレシーブ」のリズム系ネタが925点になるなど、シュールなネタが意外な高得点を獲得していた。