「毛ヅヤが良く、デキは本当にいい」と西浦調教師は胸を張った。気温が上がってくると、調子を上げるタイプ。今年はそこに順調さが加わり、これなら打倒ウオッカも…と思わせる状態に仕上がってきた。
6日の1週前追い切りも良かった。栗東DWコース。6Fから83秒6、ラスト12秒2と鋭い末脚を見せつけた。「折り合いがついて、スムーズに動いていた」と師も高評価。苦しい面がなくなって、馬がのびのびと走ることを楽しんでいるのが伝わってきた。
前走の大阪杯は3着。苦しい位置取りからしっかり伸びてきた。メンバー最速、上がり3F33秒8の脚は際立っていた。「あのポジションからよく追い込んできた。復調を十分感じさせる内容だった」と振り返った。その後は反動もなく、「体もすぐ戻ったし、ここまではいうことない」と言い切った。
新馬戦から無傷の5連勝でオークス、秋華賞と2冠を制してから、もう2年7カ月が過ぎた。エリザベス女王杯の12着降着からプリンセスの勝利の時は止まったままだ。
「2年前もこのレースを使ったけど、あのときは体も太く具合はいまひとつだった。牝馬同士なら明らかに力上位だし、なにより、これだけの状態で送り出せるのは久々だからね。期待している」
女王の座を奪い返す。その思いをふつふつとたぎらせている。
【最終追いVTR】DWで6F85秒9→68秒1→53秒7→39秒1→11秒9(G仕掛)。最後の1Fだけ気合をつけられると、抜群の切れ味を発揮した。全体時計は平凡だが、1週前にビッシリやっており、態勢は整っている。