ゆえに早期発見が大事。脳ドックでは小さな脳動脈瘤などが見つかる可能性があるが、驚くことに検査を拒む人が多いと言う。
「何か異常が見つかると怖いから受けたくない」や「頭は次の機会に…」など。
中野准教授が次のように語る。
「脳ドックはまだまだ認知度が低い。人間ドックで胃の内視鏡検査を受けるように、健診の一部ととらえて脳ドックを受けてほしい。脳疾患は年齢ごとに病気の種類やリスクが違いますが、早期発見&治療のために、ぜひ活用していただきたいと思う」
いずれにしても脳の動脈瘤は、破裂する前に処置をしておけばクモ膜下出血を防げる可能性が十分あるという。脳動脈瘤があるだけでは、症状が出にくいため、脳ドックできちんと調べる必要がある。画像診断をすれば、破裂する前の「未破裂脳動脈瘤」を見つけ出すことが出来るからだ。
脳ドックでは、「MR」といわれる磁気共鳴装置(MRI&MRA)を用いることにより、脳の血管の状態や血流などを映し出し異変を診断することが出来る。
検査法は、10分程度装置に入るだけで済み、X線CT検査のような被ばくもない。
ただ、「脳ドック」は単独でも単価が高く(5万〜6万円)なる。すべての医療機関がMRを持っていないこともあるが、人間ドック、脳ドックは、そもそも病気でない人が受けるもの、健康保険の適用外という考え方だ。
しかし、何か症状があり、脳外科や脳神経内科を受診した場合は健康保険が適用される。また脳ドックの結果に異常が見つかった場合は、以後の治療は保険が適用される。
さらに脳ドック健診ではなく、症状があっての診察、MRIの場合は保険適用の対象になるので数千円程度で済む病院もある。
脳ドックが受けられる全国の病院や料金などの相談窓口は、一般社団法人『日本脳ドック学会』(事務局・新さっぽろ脳神経外科病院のサイトで紹介されている。
最後にどんなタイプの人が脳疾患を起こしやすいかを上げてみた。
(1)中高年の人
(2)高血圧、糖尿病、高脂血症、不整脈、心臓病の病気を持っている人
(3)家族、親族の中に脳梗塞や脳出血、クモ膜下など脳の病気の人がいる
(4)肥満、喫煙、アルコール多飲などの危険因子がある
(5)物忘れが目立つようになり、何となく忘れっぽくなった人
くれぐれもご用心を。