「確かにいろんなものを恨んだけど、逆にゆったりしたローテーションを組めたことが良かったみたい。ここに向けては本当に順調にきているから」
ニッコリとほほ笑む平田師の言葉通り、1週前追い切りは坂路で800m52秒7→37秒6→12秒4の好時計。秋山騎手を背に、本番さながらのハイパフォーマンスで好調をアピールした。
「先週あれだけやれたので、直前は控えめで十分。これだけ落ち着いていれば、輸送も気にすることないでしょうね」(平田師)
前走のあざみ賞(中京)はフラワーCを除外され、やむなく回った一戦だった。その憂さを晴らすかのように、4角後方3番手から大外をぶん回す“パワープレー”で先団を丸のみして見せた。
「確かにヒヤヒヤしたけど、秋山は馬の力を信じて乗ってくれたみたいだね。それにしても強かった」。圧倒的な勝利に思わず頬が緩んだトレーナー。勢いがついたところで、本番前の“リハーサル”については、こう意気込みを語ってくれた。
「掛かるタイプではないし、距離は長い方がいいだろう。ごちゃつくのは嫌だが、それも府中なら大丈夫。すみれSにしたって、デビュー2戦目で牡馬が相手、しかも内外の枠の有利不利があって3着なんだからね。能力が相当なレベルにあることは間違いないよ」
さすがに現段階でダイワスカーレットやウオッカに触れることはなかったが、その目は確実に2強を意識していた。