ポルトフィーノはとてつもない可能性を持っている。昨年、牝馬として64年ぶりにダービーを制したウオッカ。厩舎のひとつ先輩にも劣らない、いやそれ以上の素質を感じさせる。
栗東DWコースの追い切り(27日)は終い重点だったが、軽快そのものだ。3F38秒6→12秒6という時計以上の迫力を発散していた。牝馬とは思えない発達したトモの肉。瞬発力は末恐ろしい。
「最近は馬自身で力をコントロールできるようになってきた。自分で折り合えるようになったし、上積みは大きい」と酒井助手は話した。
前走のエルフィンSは圧巻だった。スタートしてすぐは控えたが、ペースが遅いと見るや自らハナへ。軽々と押し切った。8カ月ぶりの実戦に武豊騎手は戦前、「新馬と変わらない」と不安をもらしていたが、デビューから無傷の2連勝。父クロフネ、母エアグルーヴという夢の配合にそんなハンディは関係なかった。
酒井助手は「類まれなスピード馬でセンスも図抜けている。男馬相手だけど、ペースが速くなって競馬はしやすそう。先々を見据えるといい経験になりそうだし」とうなずいた。
桜花賞へ、その先はまたダービーを夢見るのか。ここでの結果いかんで進路が見えてきそうだ。