ナカヤマフェスタがダービー4着馬の貫録を示したセントライト記念の興奮冷めやらぬなか、菊花賞本番とも思える豪華キャストが集結した神戸新聞杯。その栄光のゴール板に万人の目が注がれるなか、ダービー(12着)で1番人気を裏切ったアンライバルドが捲土重来を期す。
「攻めでもレースでも、この馬の加速力は体感で80キロから一気に200キロまでスピードを上げた時のポルシェ並みのGがかかる」と杉村助手は愛馬の長所を比類なき“加速力”としている。しかし、2冠を懸けたダービーは不運にも40年ぶりとなるドロンコ馬場(不良)。自慢の加速力が耕運機並みの鈍足になっても致し方ないところか。
もっとも、休養を挟んだことで「放牧先からバッチグーの状態で戻ってきたし、帰厩後の1カ月間も思い通りの調整ができた」とオフロードを走らされたことによる傷んだボディー&エンジンのメンテナンスは無事完了。加えて、「走りに迫力が出てきた。フォームが大きくてダイナミックになったし、春より数段パワーアップしてきた」とさらなるチューンナップが施されたとなれば、舞台はまだまだアウトバーン状態にある阪神。大爆走する可能性は限りなく高い。
「追い切り本数も予定通りにこなせて、一点の不安もない。今は普段でもおとなしいし、調教でもムキにならなくなった。目標はこの次でも初戦からの気持ちで仕上げてきたからね」。ポルシェの加速力で、いつかは戴冠(?)をもくろむリーチザ“クラウン”をぶっちぎる。