「明らかなファール」にもかかわらず、ビデオ検証の結果ホームランに覆した審判団について、張本氏は「下手になったねえ、日本のアンパイアは。世界一上手かったけどね」と嘆き節。続けて、
「アンパイアが2回失敗しとるんですよ。1回失敗してるでしょ、訂正するともう1回失敗になるわけですよ。絶対にアンパイアは訂正しないんだけどね。たとえば裁判長が判決を下してね、覆すみたいなもんだからね。選手が信用できない」
とバッサリ切る。
続いて、ゲストコメンテーターの真中満前ヤクルトスワローズ監督が、映像がテレビ放送されているものと一緒であること、制限時間があり、審判も焦ってしまうなど、誤審に至った理由を分析。
そして、「張本さんのお好きじゃないメジャーリーガーでは、第三者が、4人のジャッジしている人以外の第三者が見て判断をするんですよ。4人の責任審判はあまり関係がない。第三者がやりますから、意外と公平にできるんですけど、どうしても4人でやりますと、なかなか難しい部分がある」
となぜか張本氏への皮肉を交えつつ、アメリカと日本の「検証方法の違い」に言及。張本氏は表情を変えず、「アンパイア4人制だから。10メートル先でも見にくい場合もあるのに、100メートル近いものを判断するのは(厳しい)。人件費がかかるのはわかるけどね、線審を置かないとダメですよ」
と指摘する。
真中氏は「ビデオ判定を第三者がやるべき」とコメント。そして、張本氏は「センサーを置くからね、中に入ったら『ピピピ』とセンサーが鳴るという。なんか、考えてもらいたい」と提言した。
この問題では、日本野球機構の友寄正人審判長が23日に誤審を認め、オリックス球団に謝罪しており、その理由について「コマ送りにしたときに静止する場面が間違っていた」などと説明。再発防止策については「注意喚起する。慎重に見ていくしかない」と事実上無策であることを露呈している。
謝罪を受けたオリックス側は試合のやり直しを要求しているが、日本野球機構側は「試合は成立している」として取り合わないものと見られており、オリックス・バファローズファンとしては、なんともやり切れない1敗となった。
「張本氏は『審判は訂正してはいけない』と言っていますが、『誤ったものは素直に訂正する』ほうが審判・選手・ファン全てが納得するのではないでしょうか。
ビデオ判定は自分の下した判定が正しいかどうかを確認するもので、いわば素直に謝りを認めることができるようにした制度。これにより審判の心理的負担は軽減されたはずです。『訂正』は決して悪いことではありません。
映像を見て誤った判定をしてしまうのは、人間ですのである種仕方ない部分もありますが、『間違った判定』に覆してしまい、それが勝敗を分けた場合は、無観客試合でも良いので、やり直しを認めるべきです。
そうでないと、勝負どころの試合終盤に権利が残っていた場合、わざと誤審を狙ってリクエスト要求する事案が発生することも考えられます。真中氏の言うように間違いを防止する第三者が必要なのでないかと」(野球ライター)
現状、再試合は行われない可能性が高いが、間違ってしまったことは事実。「しっかり見ていくしかない」では、選手・ファンは納得しないだろう。