この不名誉な賞について、一部メディアではニュースとして配信したものの、すぐさま記事を削除したり、記事の掲載を自粛した媒体があったという。これについては「木下サイドから『取り上げないでほしい』という要請があった」と証言している芸能関係者がいて、ネットでは「また事務所総出か」とやゆする声も見られる。
怒りは誰もが持ち得る感情だが、中にはひときわ“怒りっぽい”と認識される人がいる。怒りっぽい人の心理的特徴はさまざまだ。
例えば、人に対して「依存心や依頼心が強い」、または「支配的である」場合、あるいは「完璧主義」などの特徴がある場合は、自分の抱く欲求の量に比例して“思い通りにいかない”と感じることが多く、不満やストレスをためやすい傾向がある。
また、「理論的に考えることが苦手」な場合、客観的な理論よりも主観的な感情を優先する傾向があり、相手と意見が食い違うトラブルなどに対して理論的に分析しないため、冷静な判断を下すことはおろか、根本的な解決策を考えることもできない。それゆえに、過去のトラブルから学ぶことなく、同じ怒りのパターンを永続的に繰り返してしまう。
あるいは、「過度に厳しく育てられた(虐待を含む)」ことが、怒りっぽさに強い影響を与えていることもある。親から浴びた怒りの感情のシャワーが慢性的なトラウマティック・ストレス(トラウマとなるような精神的衝撃を引き起こす出来事)となり、大人になってから親から受け継いだものと同様の怒りを抱くようになるケースもある。また、傷つけられることに対して敏感になり、ささいなことでも傷つけられたと認識しやすかったり、身を守ろうとする反応が怒りとして表出しやすい傾向もある。
その他、「キレる」ことをステータスやスキルだと捉えている若者や反社会的人物の存在も無視できない。また、経済的な困窮によるストレスや、スケジュールに余裕がないといった環境要因によって、怒りっぽい状態が慢性化することもある。
心理的なものだけではなく、身体的・精神的な不調から怒りに至ることもよくある。
例えば、女性の月経異常やPMS、更年期といったホルモンバランスの乱れが原因である場合もある。肩こり・腰痛・偏頭痛といった慢性的な不調、あるいは前頭葉の機能の低下など脳の部分的な機能に問題がある場合、または薬物中毒やアルコール中毒、精神障害やPTSDを患っている場合も、感情のコントロールが難しく、怒りっぽくなりやすいといわれている。
いずれにしても、“怒りっぽい人”は、あらゆる特徴において高ストレス状態であるケースがほとんどであることが分かる。
日常的な怒りを抑える方法としては、“普段から怒りを感じやすい場面での自分の考え方や捉え方の問題点を自覚・理解し、改善策を立てる”といった認知的な対策と、“6秒待ってから話す”、あるいは“怒りを感じたらいったんその場から離れる”などの対処行動を習慣づけるべきだ。認知行動療法をもとに、即時的な対策を並行させるのがおすすめである。
ストレスフルな日常とは、一刻も早く決別したいものだ。
文:心理カウンセラー 吉田明日香