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相手の特徴を逆利用?星稜・奥川恭伸に囁かれる“クローザー転向説”

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 18日の宮城・仙台育英戦(17−1)に勝利し、24年ぶりのベスト4進出を決めた石川・星稜。そのチームのエースである奥川恭伸の起用法が、ネット上で盛んに議論されている。

 前日の和歌山・智辯和歌山戦(4−1)で延長14回・165球を投げ抜いた奥川は、序盤で試合の大勢が決まったことも幸いし仙台育英戦で登板を回避することに成功。19日の休養日と合わせて中2日の休養が取れたため、20日の準決勝に向けて「先発としてマウンドに上がってほしい」という声は根強い。

 一方、中2日ではコンディションが戻り切らないと考え、「登板を回避してほしい」といったコメントを寄せるファンも少なくない。ドラフト1位でのプロ入りがほぼ確実視されている逸材なだけに、ここで将来へのリスクを負ってほしくないという思惑もあるのだろう。

 こうした議論が飛び交っている中、チームは準決勝で奥川をどのように用いるのか。もちろん、これまでそうしてきたように、先発として起用することは十分に考えられる選択肢であることは間違いない。

 ただ、仮に採用すれば、先発させるよりも効果が大きくなるのではと囁かれる起用法もある。それは、奥川を「7回以降」に限りリリーフ登板させるというものだ。

 準決勝の相手である岐阜・中京学院大中京は、ここまでの3試合でいずれも終盤に見事な集中力を発揮。初戦の南北海道・北照戦(4−3/9安打)では7回に5安打4得点、続く神奈川・東海大相模戦(9−4/17安打)では7回に8安打7得点、9回に2安打1得点、そして栃木・作新学院戦(6−3/9安打)では7回に4安打2得点、8回に1安打4得点をそれぞれ記録し勝利を収めている。

 一方、1〜6回はというと、挙げた得点は全18点中わずかに1点。終盤の攻勢が目立つ裏で、序盤・中盤は思うように得点を奪えていないということも浮き彫りとなっている。

 こうしたデータを考慮すると、最初から奥川を投げさせるよりは、荻原吟哉、寺沢孝多、寺西成騎といった投手で1〜6回を切り抜け、相手が得意とする7〜9回に満を持して“クローザー”奥川を送り込む方が良策のように思われる。この4投手は2回戦の京都・立命館宇治戦(6−3)で似たような継投策(荻原5回・寺西0.2回・奥川2.1回・寺沢1回)を既に経験しているため、そこまで大きな支障をきたすことはないだろう。

 なお、冒頭の仙台育英戦では萩原(7回1失点)、寺沢(2回無失点)の2名が、それまでの3試合で合計32得点を記録していた相手打線を封じ込める好投を見せているが、打線も3回までに8点を奪うなど投手を強力に援護している。この起用法が吉と出るかどうかは、打線がどれだけ早く機能するかにもかかっていることは言うまでもない。

 先を見据えた策を取るのか、それとも一戦必勝で臨むのか。チームを率いる林和成監督は、一体どのような決断を下すことになるのだろうか。

文 / 柴田雅人

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