この夏、最大のターゲットを迎えた。サンレイジャスパーが新潟記念で重賞連覇に挑む。
「この前は正直、3、4着でいいと思っていた。もとからここが狙いだったからね。だから今度は目いっぱいの仕上げだよ」と三浦厩務員はうなずいた。
うれしい誤算だったのは小倉記念だ。直線一気の怒とうの追い込みで惜敗続きのGストーリーにピリオド。念願の重賞初制覇を達成した。もともと、小回りの小倉はベストとはいえない条件。勝負どころの3、4コーナーでいったん手応えが鈍くなるからで、これまでチョイ負けが多かったのもそのためだ。
しかし、前走はそういう特徴をきっちり頭に入れた佐藤哲騎手の頭脳プレーがキラリ。「三分三厘から早めにスパートして、置かれる癖を防いだ。あれが最後のすごいスパートにつながった」と三浦厩務員は振り返った。
その点、今度は持ち味を存分に生かせる日本一の直線が味方になる。じっくりとことん末脚をためればいい。デキも絶好だ。「1週前追い切りは迫力ありすぎ。確実に上向いている。夏場は冬の2回分のカイバを1回で平らげる。筋肉の付き方が違うんだ」と猛暑まで味方につけている。
馬インフルエンザの陽性反応により、凱旋門賞を一度は断念した僚馬メイショウサムソンもフランスギャロからのラブコールでプラン復活の芽が出てきた。流感騒動の渦中の中にも明るい話題が出てきた高橋成厩舎。スタッフの労に報いるため、サンレイジャスパーが全馬まとめて面倒みる。