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キャッシュレス後進国の日本 他国に後れを取る最大の理由は

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 5月14日に放送された『クローズアップ現代+』(NHK総合)では、現金ではなくクレジットカードやスマートフォンなどで支払いをする「キャッシュレス」を特集。キャッシュレスを研究している京都大学教授の岩下直行氏がキャッシュレス化について語った。

 番組中、日本のキャッシュレス支払の比率は18.4%で、60%の中国や45%のアメリカと大きな開きがあると紹介される。

 岩下氏は、中国でキャッシュレス化が進んだ理由について、「私のゼミの留学生に聞いたら、お年玉が始まりだったらしいんですね。おじいさんが『孫にスマホ決済でお年玉をあげたい』と、それで爆発的に拡大した」と話した。

 また、セキュリティの不安からキャッシュレス化に否定的なイメージを持っている人が多いことに関して、「(今のキャッシュレスサービスは)インターネットバンキングやクレジットカードと変わる技術は使っていない」と説明。

 さらに、「もしスマホを落として、暗証番号がわかってしまったら使われちゃいますけど、それはお財布を落とした時と同じです」とキャッシュレス化しても現金を持っている状況とあまり変わらないため、恐れる必要はないと語った。

 世界のキャッシュレス化が進んだ背景には、偽札問題が挙げられる。日本では偽札が製造されると、すぐにニュースとして取り上げられるが、世界的には珍しくない。

 昨年、日本や韓国で米100ドル紙幣の偽札が見つかったことがニュースになった。また、一昔前の中国では、スーパーのレジ横に偽札かどうかを選別する機械が設置されるなど、偽札は広く出回っている。

 つまり、日本でキャッシュレス化が進まないのは、偽札が出回りにくいほどセキュリティがキチンとしている安全な国だからと言っていいだろう。

 キャッシュレス化が普及すれば確かに便利だ。しかし、日本はキャッシュレス化を急がなくても大丈夫な国なのだから、他国のペースに合わせず、もう少し慎重な議論を進めながらでもいいように思える。

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