ベスト8で優勝候補のマティアス・ドルダラー選手(ドイツ)とのマッチングとなったが、室屋選手は、1分04秒610の好タイムでフィニッシュ。対するドルダラーは、途中にハイGの危険性のあるゾーンで、オーバーGのミスをして失格となった。
優勝者を決める「ファイナル4」では、ベスト8を勝ち抜いた、4人のタイムレースとなったが、2番目にフライトした室屋は、1分04秒992の好タイムを叩き出して、まず1番目にフライトを終えていたベテランのナイジェル・ラム選手(イギリス)の記録を上回り、表彰台を確定。その後にフライトしたカービー・チャンブリス選手(アメリカ)、マーティン・ソンカ選手(チェコ)を抑えて母国大会で頂点に立った。
室谷選手は優勝後記者会見に出席し優勝後の心境を「操縦技術世界一を目指してやってきました。届きそうで届かない、1番というのは難しい世界。これでちょっと一息つけるかな」と語った。
また、ベスト16では、スモークが出ないというトラブルに見舞われ、1秒のペナルティーを受けるという窮地に立たされた。しかし、相手選手のピート・マクロード選手(カナダ)がオーバーGで失格となり、ベスト8の進出を決めた。以前にも同様のトラブルが発生し、今回は入念にチェックしてのトラブルとのことだったが、結果的にベスト8で前スモークをチェックする機会となったということで、「この1秒がなかったら、ファイナルにはいなかった思う」とコメントをした。
この優勝に、来場した約5万人の観客も大歓声をあげた。レースを観戦していた千葉県在住の20代男性は「信じられない。おめでとうといいたい」とコメント。去年も観戦に訪れたという東京都在住の20代女性は、「決勝で4番目の選手(マーティン・ソンカ)のタイムが出て室屋さんの優勝が決まった時は会場が一体になっていました」と答えた。(斎藤雅道)