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NEC「はやぶさ2」開発への不安

 2014年度に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げを計画していることに関し、経済界は引き続きシステム開発に携わることになったNECの動向に注目をしている。

 無理もない。NECは1月末、国内外で1万人に及ぶ人員削減策を発表。
 3年前、2万人規模の苛烈リストラを実施したにもかかわらず、携帯端末の不振など事業環境の悪化に歯止めを掛けることができなかった。
 「要するに今のNECには儲かる事業が育っておらず、それを不振事業が食いつぶして赤字幅を拡大させているのです。これを乗り切る延命策として、リストラという名の“禁断の実”にすがってきた。他に有効策を打ち出さない以上、ジリ貧地獄に陥るのは目に見えています」(経済記者)

 そんな病めるNECの元凶と囁かれるのが、歴代トップの壮絶な権力抗争だ。
 「NECは通信部門とコンピューター部門が権力抗争を演じてきましたが、それに輪をかけたのが歴代トップの確執。小林宏治元会長と関本忠弘元会長、関本元会長と西垣浩司元社長のドンパチは有名で、現在の矢野薫会長−遠藤信博社長コンビにしても、お家騒動の血が騒ぐ事態を危惧する向きが少なくありません」(NECウオッチャー)

 問題は、JAXAから再び国家プロジェクトとして白羽の矢が立った同社の宇宙開発技術だ。
 「NECが火ダルマになれば、JAXAは宇宙開発部門だけを取り込む。矢野会長が『国家プロジェクトだから政府が救いの手を差し伸べる』と鷹揚に構えようものなら、完全に市場から見放されるでしょう」(前出ウオッチャー)

 市場からは「業績の立て直しこそ最優先課題。小惑星に到着した頃、会社が消滅していたのでは目も当てられない」とのクールな声が漏れている。

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