1軍でのマウンドは昨年11月1日の日本シリーズ・巨人戦での救援登板以来、11カ月ぶり。公式戦での登板となると、同10月5日の楽天戦(札幌ドーム)以来、1年ぶりとなった。
決して、2軍で実績をつくっての昇格ではなかった。イースタン・リーグでは、7試合に登板し、23回を投げて、1勝3敗、防御率8.61の惨たんたる成績。とても、1軍に上がれるような内容ではなかったが、チームはパ・リーグ最下位に低迷。すでに、Bクラスも確定しており、いわば消化試合とあって、斎藤を溺愛する栗山英樹監督の温情措置だった。
斎藤は1回こそ無失点に抑えたが、2回に集中打を浴び4失点。3、4回は無失点で切り抜けたが、5回は四球、連打を浴び、一死も取れずに降板。5安打5四球1死球で6失点(自責点6)の乱調で、1年ぶりの復活登板は黒星がついた。
直球は故障前にはMAX147キロを記録していたが、この日の最速は141キロ止まりで、かつての姿は見られなかった。
斎藤は「この1年間を無駄にしないように、来年以降しっかりローテーションを守れるようにしたい。肩に関しては復帰したけど、勝つことに関してはしていない。そこを目指したい」と、来季での完全復活を期した。
今後は7日に開幕するフェニックスリーグ(宮崎)に参加して、調整していく見込み。
ところで、この日の観客動員は2万2488人で、昨季まで“客寄せパンダ”として球団に貢献してきた斎藤の先発試合では寂しい入りだった。前回、先発した昨年10・5では、チームの本拠最終戦ということもあったが、3万5789人の大観衆を動員していた。1年のブランクがあり、ファンの関心も“二刀流ルーキー”の大谷翔平投手に移ってしまい、斎藤の存在はすっかり忘れられた感もある。
斎藤には来季、真の復活を果たして、人気の点でも、巻き返しを図ってほしいものだ。
(落合一郎)