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RIZIN「渾身の一発から顔色が変わった」那須川天心、メイウェザーに初のKO負け!

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メイウェザーに右ストレートを決めた那須川天心

RIZIN
『RIZIN.14』
▽12月31日 さいたまスーパーアリーナ 観衆 29,105人

▼スペシャルエキシビジョン(RIZINボクシングルール)
○フロイド・メイウェザー (1R 2分19秒 TKO)那須川天心⚫︎
※右フック→タオル投入

 あの“神童”那須川天心が足から崩れ落ちた…。

 キックボクサー那須川天心と、元プロボクシング5階級制覇のレジェンド、フロイド・メイウェザーのボクシングルールによるスペシャルエキシビジョンマッチが12月31日、さいたまスーパーアリーナで行われた。

 天心はキックボクシングで、メイウェザー はボクシングで、プロデビュー以来“無敗”の記録を持っているが、この試合は記録に“残らない”非公式試合であることから、メイウェザー は「エンターテイメント」を主張。天心は「一発ぶっ飛ばしてやりたい」とKOを狙っていくと宣言。アメリカに飛んでボクシングのトレーニングを積み“世紀の一戦”に挑んだ。

 ルールは前日までRIZINとメイウェザー 側が協議を続けた結果、ボクシングルールは揺るがず、「MMA的な動きがあった場合はペナルティを課す」という契約まで明らかになり、両者の体重差は4.2kg差と、天心が圧倒的に不利な状況になったことから、グローブを天心は8オンス、体重で勝るメイウェザーは10オンスの“ハンディ”をつけることで最終的に合意した。

 両選手が入場し、歌手のGACKT、BENIによる日米国歌独唱の後、アメリカのプロボクシング風のコールが行われ、世紀の一戦のゴング。

 1R、序盤からメイウェザーがリングを支配する中、天心の右ストレートがメイウェザーの顔面を捕える。天心は「渾身の一発で手応えもあったが、そこから顔色が変わったのがわかった」と振り返っていたが、メイウェザーはスイッチが入ったかのように、天心の頭部にパンチをヒットさせ、最後はボディからの左フックで3度目のダウンを奪うと、たまらずセコンドがタオルを投入。メイウェザーがボクサーとして格の差を見せつけ2分19秒でTKO勝利。

 記録には残らないとはいえ、初めてKO負けをした天心は「本当にイケると思っていたので悔しかった」と号泣。メイウェザーは「天心は若いライオン。まだ成長する余地がある。まだまだ頑張ってもらいたい」とエールを送ると、「これはエンターテイメントです。試合ではなく大きなイベントとして楽しんでもらいたかった」と改めて、エキシビジョンマッチだったことを強調。また「私は引退している。復帰することはない」とプロボクサーの復帰も否定したが、試合後の会見中に約50名のメイウェザー軍団と一緒に新年のカウントダウンを行うなど「日本はまた来たいと思える国だ」と終始ご満悦な表情で会見を終えている。

 非公式ながら初めてKO負けを喫した天心は「今までダメージを受けたことがないから、(ダメージが回復する時間は)わからない。コレ自分がいつもやってるんだと思うと怖いなと思いました」とダウンをしたときの様子を振り返ると「きょうは悔しいけど、次に向けて頑張れる。もう怖いものはない」と前を向いた。メイウェザーからは学ぶべき点も多かったようで「真似するというか、やられたことを他の選手にやりたい。でも普段の態度は真似したくないですけどね」と語り、会見を終えると、報道陣から拍手で見送られると照れ笑いを浮かべながらインタビュールームを後にした。

 RIZINの榊原信行実行委員長は「今年のRIZINのテーマは冒険だった。天心の挑戦は海外のメディアから『無謀だ』と酷評されるかもしれない。でも一歩踏み出して冒険してくれた天心と、我々と一緒に旅をしてくれたメイウェザーに感謝したい」と天心とメイウェザー に感謝の気持ちと口にすると、体重差などの問題に関しては「競技に走るとつまらなくなるので、競技に走るつもりはない。天心もプロモーターもリスクを取った。競技が見たい方はボクシングを見てもらえればいい」と持論を展開。「軌跡と奇跡の空間だった。禁断の果実をかじった天心が今後どうなるのか?」と今後の天心に期待を寄せた。

2019年のRIZINは、4月21日の横浜アリーナ大会から幕を開ける。

取材・文 / どら増田
写真 / 山内猛

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