「出版不況もあって、新人作家の初版は通常4000〜5000部」(出版関係者)というが、ポプラ社によると、累計受注数は43万部で既に4刷。村上春樹さんの「1Q84」BOOK1の25万部を大きく上回り、印税は推定6000万円以上とみられる。
水嶋は15日発売の雑誌「SWITCH」のインタビューで「日本一の映画、世界に通用する映画を作りたいという思いで書いた作品」と映画化を希望するほどの作品だという。
あらすじは借金を抱えデパートの屋上で身を投げようとする男が、突然現れた黒服の男に引き留められ、ある契約を交わす−というストーリー。
本文を多少抜粋してみると、『何十万という人間がひしめきあって暮らすこの街で、誰もいない暗くて静かな“寂しい場所”を見つけるのは至難のワザだ。しかしヤスオが見つけたこの場所は、奇跡的にその条件をほぼ完璧に満たしていた』とプロの作家らしい部分もあれば、『イギリスならジンだな。イキリスジン、なんちゃって』、『タバコを吸いません、すいません』となぜかダジャレが満載。
「水嶋が書いたままだと大した作品じゃなく、持ち込みがあったほかの大手出版社は興味を示さなかったほど。ポプラ社の敏腕編集者2人が付きっきりで徹底的に書き直させてなんとか商業ベースに乗る作品に仕上がった。ダジャレを残したのは水嶋色を強く打ち出すためか?」(出版関係者)
気になる結末については、今週発売の「フラッシュ」(光文社)で作家の岩井志麻子さんが「う〜ん、この終わり方は思いつくようで思いつかない“新しい”発想。今後は同業者ということになるんでしょうが、私とは絶対に被らないという意味では安心しましたよ」と評している。
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