一方の関西では、金曜日深夜に『桃色つるべ〜お次の方どうぞ〜』(カンテレ)が放映されている。こちらのパートナーは、笑福亭鶴瓶だけ。双方は、ももクロの露出が徐々に増え始めた11年頃、ラジオで共演したのを機に接近。鶴瓶は、ももクロ5人(当時)の全力パフォーマンス、底抜けに明るいがどこか抜けている人間性に惚れこんでいる。
同番組がスタートしたのは4年前。有名無名問わず、個性豊かで濃い関西人=ゲストが、真正面で横一列に座る鶴瓶以下5人に、質問や相談、ボヤキや自慢などをするトークバラエティだ。鶴瓶はももクロ4人のツボや特徴を心得ているため、自然体で笑いを生み出すことが巧みだ。
ももクロの司会力も好評だ。鶴瓶はのらりくらりのマイペースを崩さないが、玉井は、絶妙な間合いで的を射る質問を投げるバランサーぶりを発揮。奇想天外な発想をツッコミで発露するのは、高城と百田。つねに俯瞰で見ているのは、最年少の佐々木。4人+1人のバランスがいい。
優良な関係は、ももクロの楽曲にも反映されている。今年5月17日にリリースされたアルバム『MOMOIRO CLOVER Z』に収録されているボーナストラック『ももクロの令和ニッポン万歳!』で、高城が♪つ〜る〜べさぁ〜ん♪と叫んでいるのだ。ヒャダインこと前山田健一の作詞・作曲による同曲は、11年に発売された『ももクロのニッポン万歳!』(アルバム『バトル アンド ロマンス』収録)を踏襲した最新の令和バージョン。47都道府県の特色や思い出を歌にしたものに、鶴瓶は大阪代表として登場しているのだ。
今年68歳の鶴瓶は、ももクロ最年少の佐々木と45歳の年の差。祖父と孫といっても過言ではないが、テレビ画面越しに伝わってくるのはツレ(仲間)同然。互いに笑いのDNAが流れているからだろう。そんな5人が奏でるDNA狂想曲は、目の肥えた関西人を納得させている。
(伊藤雅奈子)