「約2年にも及ぶ内偵捜査を進めていた組織犯罪対策5課は、約20人の特別チームを編成し、捜査を進めてきました。その中に女性捜査員もいたということは、一部報道で出た20代前半クラブ嬢との親密関係もつかんでいたわけです」(捜査関係者)
部屋に踏み込んだとき、“アノ最中”でも対処できるようにしておきたかったのだろう。また、5課の特別チームが踏み込んだ時間帯が興味深い。家宅捜索令状を取ったとしても、刑事訴訟法222条4項で早朝、夜間の突入は認められていない。午後8時過ぎに踏み込んだのは『特別令状』を取ったからで、裁判官も「夜間でも」と、客観的に判断した結果でもある。
逮捕から一夜明けた3日午前、こんな証言が聞けた。
「そこでね、車が止まっていて、男の人がしゃがみ込んでガサガサやってたんですよ。見たら、ゴミ袋で、驚いたら、男性が1人やってきて、警察手帳を提示されました」(近隣住民)
ゴミ袋の中にあるティッシュやコンビニ弁当の箸などを持ち帰り、そこから覚醒剤成分が出るか否か、確認していたのである。時期は今年1月の半ば。テレビ各局も決定的瞬間を撮ろうと連日連夜、清原容疑者の行き先を張り込んでいた。
「清原がこのマンションにいることは知っていました。お付き合い? ありません。でも、必ずエントランスの玄関を出るとき、左右をキョロキョロしてから、運転手付きのクルマに乗り込むんですよね。キョロキョロするのは球界のスターだからと思っていましたが」(別の近隣住民)
清原容疑者なりに捜査の気配を探っていたようだが、5課特別チームの動きはその程度で分かるものではなかった。宿泊ホテルの部屋にあったティッシュペーパー、シーツなどを提供してもらい、同様に覚醒剤成分が出るかどうかを調べていたのは既報通りだが、それだけではない。同容疑者が神宮周辺のレストランを利用した際、そのフォークやナイフまで調べていた。
「時期は12月半ば。清原が離れて暮らす子供と神宮室内球場で野球をやった日では…」(関係者)
わが子の前で手錠を掛けなかったのは、せめてもの温情か。行く先々で5課特別チームに囲われており、清原包囲網は完璧だった。