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私はこうしてお客様に落とされた 〜祐子・ホステス(29歳)〜

 19歳で夜の世界に入ってからというもの、20代の青春すべてをこの世界で過ごしていた。

 正直、最初は軽いバイト感覚で始めただけだったし、いずれは、昼間の仕事に戻って、普通に結婚して家庭を持つんだろうな〜なんて未来予想図を描いていた。今となっては、この仕事に誇りを持っているけど、まさか、この年になっても続けているなんて、19歳の頃の自分が聞いたら驚くだろうな(笑)。

 ただ、年齢が年齢だけに、厳しい現実を突きつけられる。どんどん若い子たちが入ってきて店を盛り上げていってくれる中、唯一のお局的な存在として扱われるのが辛く感じるときもあって…。だからといって、今さら、水商売以外の仕事につけるわけもないしね。

 そんなとき、選択肢の中に浮かび上がってきたのが、自分のお店を持ってママになるということ。どうせ、この仕事以外で生きていけないのだろうし、年齢や経験からみても、そろそろ自分のお店を持ってもいい頃だと思った。

 そんな思いから、実際にお店を持つようになってみたものの、オープン前後は、頭の中に不安の文字しかなかった。

 「応援してるよ」「今まで以上に通うから」と、激励の言葉をくれるお客様はたくさんいたのに、実際は、オープンから日がたつにつれ、客足が遠のいていくばかり…。本当にお店を持って良かったのだろうか? 私にはまだ早すぎたんじゃないか? と勘繰ってしまうこともしばしば。

 まあ、それからしばらくすると、大繁盛とまではいかなくても、それなりに固定の常連さんもできてきたので、いきなり店をたたまないといけないなんて悲劇も起こらずにすんだんだけどね(笑)。

 そんなとき、「できる限り顔は出すようにするよ」と、唯一、オープン時から足を運び続けてくれる昔からの常連さん。いつもカウンターの端っこに座って、ひとりで飲みながら、私の新米ママぶりを見守っていてくれる方なんです。

 今までも、たくさん暖かい言葉をかけてきてくれた人だったけど、やっぱり、店を持ってママになるという一番大変なときに、支えてくれていた彼の存在は、とても大きかったと思うんですよね。

取材・構成/LISA
アパレル企業での販売・営業、ホステス、パーティーレセプタントを経て、会話術のノウハウをいちから学ぶ。ファッションや恋愛心理に関する連載コラムをはじめ、エッセイや小説、メディア取材など幅広い分野で活動中。
http://ameblo.jp/lisa-ism9281/

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