おそらく今回も、キリン杯2試合でテストした中村憲剛(川崎)をトップ下に置く4-2-1-3の布陣で行くだろう。FW陣は右から中村俊輔(セルティック)、玉田、岡崎慎司(清水)が有力視される。攻守のつなぎ役であり、得点も狙いに行く中村憲の役割が大一番のポイントになりそうだ。最近7試合6得点の岡崎の決定力にも大いに期待がかかる。ここでスッキリと決めて、日本の実力を示したい。
決戦の地・タシケントは、1997年10月、まだ41歳だった岡田監督が日本代表指揮官として初采配を振るった因縁の場所。中田英寿を外して背水の陣で挑んだ一戦は1-1の引き分けに終わり、崖っぷちに追い込まれた。この苦い過去について監督本人は「過ぎた試合のことはよく覚えていない」と一蹴したが、日本を追い詰めた12年前の記憶がウズベキスタンのサッカーファンには色濃く残っているのだろう。現地での岡田監督の知名度は意外と高いのだ。
われわれ日本人が道を歩いていると「タケシ・オカダを知っているか?」と何人かのファンが聞いてきた。海外で「ナカ〜タ」「ナカムラ」と言われることは日常茶飯事だが、監督の名前が出てくることは滅多にない。それだけ今回は指揮官が注目を浴びているのだ。この12年間、数々の修羅場をくぐり、南ア行きに王手をかけているせいか、今の岡田監督は精神的ゆとりを感じさせる。3日の練習後も大木武コーチらとボール回しに興じるなど、タシケント再訪を楽しんでいる様子だ。その余裕が本当に結果となって表れるのか。彼の「監督力」が問われる一戦だけに興味深い。