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広島・黒田とマエケン盃を交わした師弟の密約(2)

 黒田がメジャーに渡る前の'07年、前田は新人だったため、接点は“無”に等しかった。一軍と二軍に別れていたためだが、しかし、黒田は自身の後継者として前田に一目置いていた。
 「黒田門下生という言葉を使うなら、一番弟子は前田です。前田は今季の帰還を球団よりも早く聞かされていた可能性もある」(同)
 それだけではない。マエケンは大瀬良たちに対し、「こんなふうに質問しないと、ダメだ」と、黒田との接し方を教示していたようだ。「わからないから教えてほしい」と聞いても、黒田は答えてくれる。しかし、「自分はこう思っているのですが」「こんな練習をしていますが」と突っ込んだ聞き方をしなければ、黒田の教えを自分流にアレンジできないと説いていた。

 マエケンは黒田帰還の今季、別の方面でも“異変”を見せている。それは、自主トレ期間中から「開幕投手を狙う」と、ハッキリ口にしていたことだ。これまでは内に秘めていたタイプだが、黒田に「オレに遠慮するようでは成長はない。狙え!」とハッパを掛けられたようだ。
 「前田が大炎上した20日のピッチングですが、途中から決め球のスライダーを使わなくなったんです。開幕でぶつかる東京ヤクルトの偵察隊もネット裏にいたはずですし、オープン戦特有の『手の内を隠した』配球だったのかも」(前出・スポーツ紙記者)

 黒田の『カープ愛』は25歳の野村祐輔にも伝わっている。野村がまだ明治大学に在籍していたときのことだ。明治大学は米アリゾナのスポーツ施設で新規リーグ戦前のキャンプを行った。そのジム施設で偶然、黒田が練習していたのである。
 「明大野球部の一行を見つけると、黒田の方から歩を進め彼らを激励しました。広島県出身の野村の経歴を知っていたらしく、『カープで会おう』と握手を交わしていました」(前出・関係者)

 そのとき野村は恐縮し、両手で握り返したという。黒田帰還の一報を聞かされたとき、「本当に帰ってくるんだ」と感激していた。
 「黒田はオープン戦で好投を続けたものの、日本の軟らかいマウンドに対する感覚をまだ完全に取り戻してはいません。ツーシームと独自の魔球・フロントドアが本領を発揮するのは夏場以降です」(同)

 緒方孝市監督は、前任者の野村謙二郎氏が不振でも起用し続けた堂林翔太に対し、あっさりと二軍落ちを命じた。打率2割を切る低迷では当然だが“野村カラー”がなくなり、むしろチームは一丸となったという声も聞かれる。
 黒田とマエケンの“男の契り”.新生カープが、Vロードをバク進する。

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