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『かっぱ寿司』買収で始まる業界再編

 100円寿司は限界なのだろうか。回転寿司チェーンの大手『かっぱ寿司』が焼肉チェーン『牛角』や居酒屋『甘太郎』などを運営する外食産業大手のコロワイドに買収されるが、これにとどまらず、回転寿司の業界にある異変が起きている。
 経済評論家の荻原博子氏が言う。
 「以前はラーメンを置いたりして珍しがられましたが、それが今となっては子供のためにプリン、綿あめ、ハンバーグなど、何でもありなんです。つまり、カップルが訪れてちょっとつまんでいくだけでは儲からないため、ファミリー客を掴もうと躍起になっている。あれこれ試行錯誤をする背景には、この業界自体が飽和状態になっているという事が上げられます」

 おまけに、アベノミクスの影響で深刻な円安。原材料の仕入れは容易なことではない。
 「しかも今、新興国の間に回転寿司ブームが起こっていましてね。人気のあるサーモン、ブラックタイガー、マグロなどを日本の企業が競り負けることがあるんですよ」(流通ジャーナリスト)

 確かに、これでは店を畳んで異業種に参入するしかない。やはり100円寿司は限界なのか。
 荻原氏が続ける。
 「そこで、回転寿司と居酒屋、焼肉屋が組んでさまざまな商品を回転寿司のレーンに乗せて回しているケースもあるんですよ」

 これから忘年会のシーズンだが、寿司に加えバラエティーに富んだメニューが注文できれば嬉しい。
 「ファミリーを取り込み、お父さんには飲んでもらうということ。回転寿司がファミレスに近くなってきたともいえます」(同)

 加えて、レーンを利用するぶん人件費を浮かせることができるため、「肉を安く提供することもできる。加えて寿司の100円も可能になる」(前出・流通ジャーナリスト)という。こうした店はいずれ全国に広がると見られ、業界再編が進みそう。

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