本作は、北米最凶と呼ばれる実在の廃墟ホテルをモデルにした作品で、様々なドキュメント作品を撮影している“不謹慎なロケ隊”が廃墟に踏み込み、召還された怨霊によって襲われるという内容であり、昨今流行の主観撮影=P・O・V(ポイント・オブ・ビュー)の手法をとっている。ここ数年ホラー映画業界においては、この主観撮影が好まれる傾向があり、『パラノーマル・アクティビティ』、『フォースカインド』というヒット作も生まれている。
本作品の出来栄えは秀逸で、徹底的にリアリティを追求しており、筆者のようなオカルト研究家から見ても、実際の心霊ロケ現場の雰囲気や、霊体験者が証言する霊のビジュアルがよく表現されていると思った。
今回のトークショーでは、この手の心霊ロケの経験が多い疋田紗也が、稲川淳二氏のDVD作品で遭遇した廃墟における恐怖体験を披露したり、ここ最近、自分自身が見た幽霊情報を披露し、観客を大いに楽しませていた。中でも最近、千葉県で目撃したという『裸の大将に似た霊』という話に筆者の心は強く揺さぶられた。
そこで、共同記者会見の後、所属事務所を通し急遽、独占インタビューを慣行、詳細な目撃情報と疋田紗也自らが描いた『裸の大将に似た霊』のイラストの入手に成功した。
体験談によると、2011年の夏、助手席に母親を乗せた疋田紗也の車は、津田沼付近を走行していた。すると数百メートル先のバス停の横に、だらしなく伸びたパーマをかけた髪の毛、ぽっこりお腹とタンクトップのシャツ、白と青で構成されたストライプのパンツを身に着けたタレ目の中年男が立っているではないか。
髪の毛は長いものの、雰囲気は山下清を演じた芦屋雁之助に似ており、ボケッーと立ち尽くしている。しかも、車道側にかなりはみ出しており、このまま行くと接触の危険性があった。これは危いと思い慎重に近づいていくと、男の体は半透明であり、至近距離までくるとすーっと消えてしまったのだ。
この『裸の大将に似た霊』の正体はいったい何者であろうか。津田沼周辺で同じような体験をした方がいたらリアルライブ編集部までご連絡頂きたい。ひょっとすると『小さいおじさん』や『ゴム人間』のように目撃者が多数いる可能性がある。
(山口敏太郎)