ウェルター級で世界タイトルを手にした新人ボクサーが、悲劇から突然、世界が一転し、また栄光を取り戻すため奮闘する様子が描く『サウスポー』で、エミネム(本名マーシャル・マザーズ)は主役を演じる予定だ。
カート・サターが同作の脚本を担当するが、内容の一部はエミネムが最新アルバム『リカバリー』で描いた自分自身の薬物中毒との闘いをベースにするという。
カートは、Deadline.comに、「ここ7年間、マーシャルの製作パートナーとミーティングを持っていた。一緒に手がける何かを探すためにね」「エミネムは選り好みをするタイプで、あまり多くはやらない、って知っているよ。だけど彼はありのままに個人的な苦しみを世間と共有していて、アルバムの中ではとても正直だったよね。いろいろな意味で僕はそれに共感したんだ」「彼はボクシングというジャンルにとても興味があるし、彼自身の人生が暴力に溢れていたから、ある種のたとえ話を好む傾向があるみたいなんだ。ある意味、この作品は『8Mile』の続編的なものだけど、ありのままの伝記作品というよりは、彼の人生における第2章を隠喩的な物語として描くことになるよ」「この作品の軸として、ボクシングという例えを用いたこの映画は彼のここ5年間の人生における戦いを振り返ったものになる」と話している。
左利きのファイターを描くこの映画のタイトルについて、カートは、エミネムの異端児のラッパーとしてのキャリアに二重の意味を込めたと説明している。
「マーシャルが左利きとして描かれるこのタイトルが大好きさ。左っていうのは、ヒップヒップ界において白人を指すからね。危険で、不必要とされていて、完全に非正統派さ。右利きのボクサーよりも、サウスポーの方がかなり険しい道のりをたどることになるからね」