道中は無理せず後方に待機。4角で満を持して追い出されると、メンバー最速の上がり3F36秒3の末脚で先団を一気に丸呑みした。勝ち時計は1分50秒2(重)。
「引っ掛かり癖がある馬がいつになく落ち着いていたからね。最後はすごい脚だった」と殊勲の蛯名騎手。1コーナーで落馬寸前の不利を受けたが、「折り合いを欠いたのはあそこだけ。内枠で壁になっていたので、何とかなだめられたし、道悪も上手に走っていた。やっぱり地力があるね」。
このレースを最後に繁殖入りが決まっていたが、「オーナーと相談しなきゃ」と中村師はうれしい誤算に笑顔。「冬毛がボウボウで、パドックでも全然良く見えなかったんだけどね。ただ、ここにきて上向いてきていたのは確か。去年のヴィクトリアマイル(10着)はいい状態じゃなかった。ぜひ調子のいいときに使ってみたいんだ」
引退撤回があるかは別にしても、衰えをまったく感じさせない勝利だった。