山本氏は11年3月の震災以降、脱原発を訴え続け、「迷惑をかけられない」と当時所属していた芸能プロを辞め、昨年12月の衆院選に東京8区から出馬。長年、同区で議席が盤石な維新共同代表で元東京都知事・石原慎太郎衆院議員の長男で自民党の石原伸晃環境相に挑んで善戦するも落選。今回は、民主党の東京選挙区での候補者擁立をめぐるゴタゴタなどが追い風となり当選。見事に議員バッジを手にした。
そんな山本氏の“原点”は人気だったバラエティー番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(日本テレビ)の人気企画「ダンス甲子園」。きわどい競泳パンツ姿でたくましい体にオイルを塗りたぐり「メロリンQ!」などと絶叫し一躍人気者に。その後、素朴なキャラと見事な肉体がウケ、俳優業で成功しNHK朝の連続テレビ小説「ふたりっ子」、NHK大河ドラマ「新撰組!」、フジテレビ系連続ドラマ「リアル・クローズ」などに続々と出演。映画「バトル・ロワイアル」、竹内力主演の人気Vシネマシリーズ「難波金融伝・ミナミの帝王」などでも存在感ある役を演じ注目を浴びた。
当選直後、「浮かれている場合ではない」と万歳三唱をせず、「これからがイバラ道」と気を引き締めた山本氏だが、脱原発を主張している限りはテレビを通して自分の考えを国民に主張することは難しそうだ。
「脱原発に関連した話題を口にしようとしたところ、当選直後のNHKのインタビューはカメラが切り替わり、22日に出演した『ミヤネ屋』ではCMに入ってしまった。今や山本氏の“主戦場”はネットだが、やはり多くの国民に自身の主張をアピールできるテレビから敬遠されていることは政治活動にとって痛手」(永田町関係者)
そんな山本氏だけに、よほど優秀な秘書とマスコミ対応の担当者を付けないと、「言いたいこと」が言えないままに任期の6年間があっという間に過ぎ去ってしまいそうだ。