実際、今回の総選挙は大手メディアも熱い関心を寄せていた。毎日新聞デジタルは、調査会社「マクロミル」の協力のもと、事前に順位の予測を調査。朝日新聞は公式ツイッターで結果を瞬時に伝え、有料電子新聞「朝日新聞デジタル」は、写真特集と動画のコンテンツを用意する万全の体制で挑んでいた。
日刊スポーツでは結果が出ると同時に「前田雪辱」と大見出しで「選挙号外」を配布。他にも、日本テレビが番組内で途中経過を随時発表したり、速報ニュースまで流すなど、本物の選挙戦さながらの取材合戦が行われていた。
この本家形無しの総選挙、当の国会議員はどう見ていたのか?
実は、元アイドルで現職参議院議員・三原じゅん子氏もこのAKB総選挙に注目していた一人だ。彼女はAKB48を「常にファン第一」「老若男女に愛されている」と述べ、政治不信が高まる現状を踏まえて「政治家全員がAKBを見習って国民目線を大切にすべき」と一喝した。
しかしその一方で、映画『もしドラ』主演の前田敦子等を例に出し、大手事務所の後ろ盾があるメンバーがどうしても有利になるため、「一人一票のみにするべき」と選挙制度の改正を求めた。
ちなみに彼女の推しメンは板野友美。「かわいすぎる!」とのことだが、板野は今回、序盤の出遅れを取り戻せず8位に甘んじた。
他にも、今回の総選挙に熱い視線を送っていた有名人は多い。
まず、「芸能界で誰よりもアイドルを愛し、理解する男」として知られる「山ちゃん」こと南海キャンディーズ・山里亮太と、ライブドアの粉飾決算事件で実刑が確定した堀江貴文元社長は、両者ともに一位を大島優子の連覇を予想。山ちゃんは「ファンサービスの質の高さ」、堀江貴文氏は「有力な後援者がいそうなので」と、理由を述べていたが、残念ながら結果は前田敦子の逆転優勝。ちなみに山ちゃんの推しメンの「まゆゆ」こと渡辺麻友は5位だった。
一方で、加熱するAKB総選挙に苦言を呈する人もいる。漫画家のやくみつる氏などがそうだ。彼は投票に熱を上げるファンの様子を見て、「投票したアイドルには会えるかもしれないけど、リアルに付き合える人はいない」とし、「メンバーの一人ひとりはいい子ばかりだけど、前田敦子は振り向かないよ」「もっとリアルな世界があることを知ってほしいな」と結んだ。
メンバーも変わって、AKB48はこれからどうなっていくのか。選挙後のAKB48の活躍に注目したい。