ドミニカ・カープアカデミー出身のサンタナは、育成契約を経て先月支配下登録された内野手で、これが来日初の一軍昇格。2軍では20日時点で83試合に出場し、「.272・5本・31打点・74安打」という成績を残している。
昇格当日のヤクルト戦で即スタメン起用(7番・一塁)され、「3打数1安打・1打点」と早速結果を残したサンタナ。ただ、今回の昇格人事を受けたネット上のファンからは、期待の声以上に「なぜ長野を上げなかったのか」、「実力が上なのはどう考えてもサンタナより長野」、「今上げないなら逆にいつ上げるんだよ」といった、緒方孝市監督への批判が噴出している。
待望論が沸き起こっている長野久義は、「.208・2本・7打点・22安打」と思うように数字を残せず、先月3日から二軍降格中。ただ、8月に入ってからはここまで4割越えの打率をマークするなど、一転して好調をキープし続けている。
また、長野は昨年まで所属した巨人時代から、夏場に調子を上げる“夏男”であることが広く知られている。現に、過去3年間における8〜10月の通算成績は、「.300・16本・49打点・134安打」となかなかの数字だ。
“飼い殺し”の理由がポジションの兼ね合いならば、まだ理解されていたのかもしれない。ただ、一軍の外野陣を見ると、鈴木誠也(.334・24本塁打・75打点・134安打)、西川龍馬(.297・13本・57打点・122安打)はともかく、松山竜平(.248・4本・29打点・51安打)や野間峻祥(.249・2本・15打点・73安打)の数字は今一つ。長野の出る幕がないとは言い難い状況だ。
自軍のファンだけでなく、長野の古巣である巨人ファンからも「使わないなら返せ」といった批判を浴びている緒方監督。サンタナが継続して結果を残せなければ、その風当たりはさらに強くなりそうだ。
文 / 柴田雅人