尾関助手は「普段はおっとりしているがオン・オフのスイッチの切り替えができていて、速いところをやると時計が出る」と感心する。バランスの取れたアカ抜けた馬体(約480kg)の持ち主で、いかにも走りそうな雰囲気を漂わせている。
「スタートは並みだが、姉に似て動きは素軽いし、瞬発力がある」鞍上には吉田豊騎手を予定している。
同じく芝1600m戦で初陣を迎えるトーセンステルス(牡、父プルピット、母レイディズレガシー=美浦・古賀慎厩舎)も将来有望な好素材だ。
「直前は軽めのケイコだったが、強いところは日曜(8日)にやっているので大丈夫。(田中)勝春も『仕上がった』と言ってくれているしね」と古賀慎師。「セール出身馬で1度競馬を経験しているようなものだし、気のいいタイプで実戦に行って良さそう」と期待を寄せている。田中勝騎手とのコンビで出たとこ勝ちを狙う。
<函館>初日(土)のダ1000mは鮫島厩舎期待のベストオブミー(父ブライアンズタイム、母フラワーアーチ)がスタンバイ。
牝馬ながら筋肉隆々の馬体でケイコでも牡馬勝りの力強い動きを見せている。「スタートが良くてとてもいいスピードがある。追ってからもしっかりしていて初戦から楽しみ」と寺井助手。安藤勝を背に、デビュー予定だ。
2日目(日)の芝1200mではヤマカツオーキッド(牡、父ダンスインザダーク、母ヤマカツスズラン=栗東・池添厩舎)が初戦突破を狙う。
兄のヤマカツブライアンは同じ池添厩舎所属で昨年の交流GII。兵庫CSで2着。父はダンスインザダークにかわったが、良血馬として陣営の期待も大きい。「まだ幼い面はあるけど、素質はかなりのものを持っている。大事に育てていけば先々が楽しみ」と池添師。鞍上に池添を迎えてデビュー予定だ。
<小倉>2日目(日)の芝1200mで初戦勝ちを狙うのがルイジアナボーイ(牡、父ゴールドアリュール、母ルイジアナピット=栗東・作田厩舎)だ。
5月初旬から馬場入りを開始して小倉デビューを目標に十分すぎるほどの攻め馬を消化してきた。500kgを超える雄大な馬格だが、仕上がりの良さ、動きともに絶品だ。
「攻め馬はやりすぎるくらい積んできたし、1週前にCWコースで81秒台の水準以上の時計が出ている。ひと追いごとに気合が乗ってきたし、追ってからいいタイプだね」と鈴木助手。鞍上には幸騎手を配してデビュー予定だ。
また、初日(土)の芝1000mで武豊騎手を配し、デビューするがコウユーココロコロ(牝、父コロラドクエスト、母アズワー=栗東・領家厩舎)だ。
1週前には古馬準オープン馬と併せられて互角の動きを披露したように2歳離れしたスピードが持ち味。「ゲートも良く、初戦向きだね」と松田助手は勝ち上がりに手応え十分だ。