立川市議は2月19日投開票の新座市議選に立候補。2067票を得て、候補者32人中5番目(定数26)で初当選。ところが、市民から「市に生活の本拠がない」との異議申し立てがあり、市選管が調査していた。被選挙権を得るためには、選挙区内に公示日前日の3カ月前から居住している必要があるからだ。
市の調査によると、立川市議は昨年9月20日に東京都練馬区から同市に転入。しかし、住民票に記載された住居では、当選前、電気や水道の使用もほとんどなく、ガスは当選後に契約していた。練馬区に住む夫や義理の両親は「当選直後まで練馬で一緒に住んでいた」と証言。これらにより、市選管は居住実態がないと判断した。
市選管に対し、立川市議は「水道水は飲まない。入浴もこの部屋ではしていない」と説明。子どももいるが、「都内の家で子どもを寝かしつけてから、この部屋に泊まった」と話したという。関係者によると、立川市議は夫と離婚協議中だという。
20日に市役所で会見した立川市議は「混乱している。今後のことは弁護士と相談する。居住実態とは何なのか分からない。選管からの説明もなかった。今回の選管の判断は疑問がある」とコメントした。
公職選挙法の規定では、この日から21日以内に県選管に不服を申し立てなければ、当選の無効が確定し失職する。不服申し立てがあれば、県選管は審査の上で60日以内に決定を出すが、その決定にさらに不服があれば、高裁で県選管を相手取り決定の無効を求める訴訟を起こすことができる。最終決定まで議員の身分は保障される。
立川市議はT2プランニングに所属するタレントで、モデル、テレビCMなどの分野で活躍している。
(蔵元英二)