プロ野球セ・リーグは5月6日現在、DeNAが両リーグ通じて20勝一番乗りして(14敗)、貯金6で堂々のトップに立っている。4月28日からスタートしたゴールデンウイーク9連戦を、7勝2敗と大きく勝ち越して待望の首位に浮上したのだ。
2位・巨人とは1.5ゲーム差がついており、8日から始まる巨人との首位攻防戦では1勝すれば、負け越しても首位はキープできる。
DeNAといえば、05年の3位を最後に9年連続Bクラス。しかも、08年以降は7年連続5位以下で、万年Bクラスのチーム。それがいったいどう変わったのか?
好調の原動力は投打のバランスがうまくかみ合い、若手が台頭してきた点にありそうだ。例年、DeNAのネックは弱体投手陣だったが、今季はひと味違う。チーム防御率は3.48でリーグ5位だが、先発、救援投手ともに踏ん張っていることが大きい。
先発では、山口俊投手、三嶋一輝投手、ギジェルモ・モスコーソ投手が安定した投球で3勝をマーク。久保康友投手、井納翔一投手も2勝を挙げている。モスコーソは肉離れで離脱したが、1軍に昇格した三浦大輔投手が5日に勝ち星がつくなど、先発にしっかり勝ちがついている。
救援陣では、新人ながらクローザーに指名された山康晃投手がリーグトップの12セーブをマーク。中継ぎの田中健二朗投手も17試合に登板し、11ホールドで防御率2.00の好成績。先発がゲームをつくって、田中、山崎康が締めくくるパターンが確立した。
打撃では、チーム打率は.264でリーグ2位ながら、得点131、26本塁打は断トツでリーグ1位の破壊力を発揮している。
なかでも、昨季初めて3割、20本塁打を記録して4番に固定された筒香嘉智外野手が覚醒。7本塁打、27打点はリーグ2冠王。打率も.321(リーグ3位)で、堂々たる4番打者に成長した。
巨人から移籍して、一塁を守るホセ・ロペス内野手の活躍も見逃せない。6本塁打、18打点、打率.280は十分な数字。昨季の一塁手はトニ・ブランコ内野手(オリックスへ移籍)だったが、とにかく故障離脱が多く計算が立たなかっただけに、ロペスが安定した成績を残しているのは大きい。
11盗塁でリーグトップの梶谷隆幸外野手も、打率.321(リーグ2位)と好調で、走攻守でチームの力になっている。
昨季、二塁、三塁を守り、3割を打ったキューバのユリエスキ・グリエル内野手の来日拒否→契約解除は痛かった。だが、グリエルの加入で出場機会が減ったり、ポジションが変わったりで精彩を欠いた石川雄洋内野手(打率.299)、アーロム・バルディリス内野手(打率.303)が活躍し、グリエルの穴を十分埋めている。
また、野手では嶺井博希捕手、飛雄馬内野手、倉本寿彦内野手、関根大気外野手ら若手が台頭したことで戦力に厚みを増した。
なにせ、打線の破壊力は抜群なだけに、よほど投壊しないかぎり、当分DeNAの勢いは続きそうだ。
※成績はすべて5月6日現在
(落合一郎)