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グレープフルーツジュース・納豆・海藻類… 知っておくべき薬と食物飲料の“最悪”の組み合わせ(2)

 また、果物のグレープフルーツは、ビタミンCを豊富に摂取でき、子供から大人まで人気が高いが、同医師はこんな指摘もする。
 「特にフルーツを生絞りにしたグレープフルーツジュース。これを薬と一緒に服用すると副作用が強く現れ、頭痛、ふらつき、心拍数の増加などが顕著になるという報告があります。グレープフルーツに含まれる苦み成分である生体フラポイドや、クマリンの一部、カルシウム拮抗薬の体内での代謝を阻害するため、薬の血中濃度が上がって起こるという説が強いといわれています」

 ただし、その場合、どの成分が酵素を阻害しているか未だ定かではないとのことである。もちろん個人差もあり、薬剤の種類によっても濃度の上昇にかなりの差がある。したがってグレープフルーツジュースの影響は1日以上、薬によっては2〜4日ほど持続することがわかってきたという。
 しかし、スイーティやダイダイでも同じような作用があるが、最も庶民的なミカン、オレンジ、レモン、カボスなどは影響がなく安心できるという。

 他に食品類で注意が必要とされるのが、「きくらげ」や「干しひじき」、「わかめ」など、植物繊維が多く含まれる食品。本来、消化器官の働きを活発化させ、脂肪や腸内に排泄されたコレステロールを含む胆汁酸を吸着し、糞便と共に体外へ排出する“吸着・排出作用”という働きをする。
 だが、一方で「ジキトニン」「ジゴキシン」といった強心薬の吸収をさまたげ、血中濃度を低下させるなど、薬効の負の影響を及ぼす懸念がある。植物繊維のサプリメントを服用する場合も時間をあける工夫が必要とされる。

 また、飲み物も前述のグレープフルーツジュース以外に、要注意の商品がある。スポーツ飲料や緑茶など薬との飲み合わせによってはさまざまな弊害がある。
 前出の大学病院循環器内科医によれば、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の『ビスフォスフォネート製剤』と呼ばれる薬は、マグネシウムやカルシウムなど、電解質の入ったスポーツドリンクと同時に摂ると有効成分の形が変わってしまい、薬効が薄れる。同じことは、牛乳と抗菌薬の組み合わせでも起こるという。
 最近では、お茶が血中の高脂血症を予防する「スタチン」の効果を強めるという報告がある一方で、緑茶やコーヒー、紅茶などはカフェイン類似の中枢神経興奮作用を持っていることがわかり、『テオフィリン』などの喘息薬と同時に服用すると、中枢神経の興奮作用が増強され、頭痛、不眠などの症状が起こることが判明している。

 最後に、これまで挙げた以外の“組み合わせ”と弊害を紹介しよう。
●青身魚…不飽和脂肪酸を含み、血液をサラサラにし動脈硬化を予防する反面、ヒスジン物質を含むため、これが薬(結核治療薬など)によっては悪影響を及ぼし、ヒスジン中毒などで顔面紅潮、発疹、動悸なども引き起こす。
●カレー…何種類もの香辛料を混ぜる料理だが、糖尿病薬(クロルプロパミド)を飲むと、血中濃度が上がり、胃腸障害、発疹、低血糖などの副作用が出る。
●鶏レバー…ビタミンAが多く、皮膚や粘膜を健康に保つ栄養素が豊富だが、インフルエンザや肺炎、中耳炎に処方される『塩酸テトラサイクリン』を服用すると、激しい頭痛が起きる。

 どんな人でも、健康を維持したい気持ちから、食べ物や健康食品(サプリメント)を選ぶ。しかし、医師や薬剤師に相談せずに、誤った組み合わせを続けていると、薬の効果を無くし元も子もなくなってしまう。一度、掛かり付けの薬局で相談してみてはどうだろうか。

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