アメリカ・カリフォルニア州で、子どもが誘拐されそうになったなどと警察にウソの報告をしたとして、逮捕・起訴されていた30歳女の裁判が開かれ、裁判所が女に有罪判決を言い渡した。海外ニュースサイト『CBS News』『New York Post』などが6月30日までに報じた。
報道によると2020年12月7日、女は自身の幼い子ども2人(1、4歳)を連れて、クラフトショップを訪れたという。買い物中、女はとある男女カップルに話しかけられた。子どもたちの年齢を聞かれ、容姿を褒められたそうだ。その後もカップルは女の後をつけて、駐車場まで追ってきた。さらにカップルの男は、子どもの乗るベビーカーを奪おうとした。「誘拐される」と危険を感じた女が大声で叫び助けを求めたところ、カップルは逃げていったという。
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女は一連の出来事を警察に通報。すぐに警察が駆けつけて、捜査を開始した。事件から1週間後、女は自身のインスタグラム上に「子どもが誘拐されそうになった」などと、一連の体験を報告する動画を投稿。女の投稿動画は大きな反響を呼び、400万回以上再生され、10万人以上新規フォロワーが増えたという。なお、当該動画は現在削除されている。さらに、女は地元のテレビ局の取材にも応じて、「誘拐未遂事件」は大々的に報道された。
しかし、捜査を開始した警察はすぐに女の主張に疑いを持ったという。店内の防犯カメラの映像では、男女カップルは確認されたが、女の主張するような直接の接触は確認できず。しかも、女は男女カップルの逮捕を望んでおらず、「怪しい動き」に対して意識を高めたいだけなどと訴えたそうだ。
警察が映像に映っていた「容疑者」の男女カップルにも事情を聴いたところ、男女カップルはクリスマスの買い物のために来店し、店内でも女の存在に全く気付いていなかったという。
事件発生から約1年後、警察は、女が虚偽の報告をしたと結論づけ、女を逮捕・起訴した。男女カップルの主張と店内カメラの映像内容が一致していたため、女の主張が虚偽だと結論づけられたとみられる。複数回の審理を重ね、最近開かれた裁判では、虚偽の申告で執行猶予1年付きの禁固刑90日、執行猶予期間中のSNSのアクセス禁止、社会奉仕活動などが女に言い渡された。女は控訴しないとみられ、刑はすぐ確定するという。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「迷惑系インフルエンサー」「すべては動画再生数のためのネタ作り。専業ママはヒマなのか」「無実の他人を巻き込むなど、本当に悪質」「同情を引きたいだけのかまってちゃん」「誘拐犯呼ばわりされたカップルがお気の毒」「これでママタレにママブロガーは、不要なのが証明された」といった声が上がった。
周囲の注目を引くために、関係のない他人を巻き込むなど、迷惑極まりない。刑務所行きは免れたようだが、一連の騒動で女が失ったものは計り知れないほど大きい。
記事内の引用について
"Mom influencer" Katie Sorensen sentenced to jail for falsely claiming couple tried to kidnap her kids at a crafts store(CBS News)より
https://www.cbsnews.com/news/mom-influencer-katie-sorensen-sentenced-jail-false-kidnap-claim/
California ‘mom influencer’ Katie Sorensen sentenced to jail for kidnapping hoax(New York Post)より
https://nypost.com/2023/06/30/california-mom-influencer-katie-sorensen-sentenced-to-90-days-in-jail/