イギリス・グロスターシャー州で、隣人が日光浴中の妻の姿をドローンで撮影していると72歳の男が勘違いし、隣人をエアピストルで脅した。海外ニュースサイト『WalesOnline』と『Mirror』などが4月29日までに報じた。
報道によると2022年8月22日、男の妻(年齢不明)が自宅の庭で日光浴をしていたところドローンが庭の上空に飛んできた。男はドローンが妻の姿を撮影していると思ったそうだ。なお、妻がどのような格好で日光浴をしていたのかは不明である。男は腹を立て、自宅にあったエアピストルでドローン目掛けて3発発砲。複数がドローンに命中した。
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その後、男は隣人の男性がドローンを飛ばしていると知り、エアピストルを持って隣人の家に押しかけた。男は隣人に、ドローンを飛ばして妻を撮影するなと一方的に話し「またやったら発砲する」とエアピストルで隣人を脅した。
実際、隣人は妻を撮影していたわけではなく、物件掲載のために不動産業者から近隣の建物の空撮するよう依頼され、ドローンを飛ばしていた。隣人は「銃を私に向けないで」と言い冷静に事実を説明しようとしたが、男は「ドローンを私に向けるな」と怒り続け、説明を聞き入れなかったという。
なお、エアピストルとは空気または不燃性ガスを用いて弾丸を発射する銃のことである。子ども用のおもちゃもあれば、射撃や狩猟用のものもあるが、種類によっては弾が当たると死に至るものもある。今回男が使用していたエアピストルはドローンを破損させており、弾の威力は強いものだったとみられている。男は庭にキツネが入ってきたときに威嚇射撃するために約20年前、エアピストルを購入していた。
男と隣人の間には緊迫した雰囲気が続いたが、隙を見て隣人が男に覆いかかりエアピストルを蹴り飛ばした。男は即座にエアピストルを拾い自宅に戻ったそうだ。その後、隣人は警察に通報。警察はその日のうちに男を逮捕した。警察の調べに対し、男は「隣人がドローンを使って(自宅付近を調査し)家の財産を盗もうとしているか、妻の日光浴姿を撮っていると心配した」と説明した。
2023年3月、男の裁判が行われ、男には隣人に3000ポンド(約51万6000円)の賠償金を支払うよう命じられた。また4カ月間、GPSタグで監視下に置かれ、午後7時から午前7時までの外出禁止に。さらに12か月社会奉仕活動を行う。男は刑務所行きを免れたが、非常に反省していると認められ、過去に刑事事件を起こしていないことが影響した模様だ。なお、賠償金の内訳は、ドローンの過失に対して2000ポンド(約34万4000円)、隣人への精神的苦痛に対して1000ユーロ(約17万2000円)である。男側はドローンが自分の家の庭を撮影することは違法だと主張したが、隣人のドローンは英国民間航空に撮影用ドローンとして登録されており違法性はなかった。
このニュースが世界に広がると、海外のネットユーザーからは「武器を見せつけ脅すのは決して許されない」「隣人は怖かったはず。刑務所に入れられるべき」「男が怒りに任せず冷静に隣人と話をすれば数分で解決した話。こんな事件にはならなかった」「男にとって妻はよほど魅力的なのだろう」「時々ドローンを見るけれど写真を撮られているのではとあまりいい気分はしない。男を擁護するわけではないが、騒音も気になるしプライバシーも心配」といった声が上がっていた。
男はよほど熱くなってしまったようだが、落ち着いて話し合いをすればここまでの事件にはならなかったことだろう。
記事内の引用について
「Gun-wielding pensioner threatened drone pilot he thought was filming wife」(WalesOnline)より
https://www.walesonline.co.uk/news/uk-news/gun-wielding-pensioner-threatened-drone-26803289
「Pensioner threatens drone pilot with gun over fears he was filming wife sunbathing」(Mirror)より
https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/pensioner-threatens-drone-pilot-gun-29838862