今シーズンは横浜スタジアムで行われた3月5日のライオンズ戦で先発登板すると、初回からキレッキレのストレートを中心に打者を翻弄。4回を投げ失点は1ながら自責は0で、被安打2、奪三振4、わずか49球で役目を果たし、三浦大輔監督も「ストレートの力も昨年と比べても良くなっている」と高評価を与えていた。
1週間後の3月12日にも同じ横浜でドラゴンズ相手に先発。しかし今回はそのストレートにキレがなく、コントロールもアバウトと明らかによくなく、初回から5失点と乱調。2回にも満塁のピンチを迎え、3回には大島洋平に技ありタイムリーを浴びるなど流れも悪く、5回97球、被安打9、与四球4、自責点6と散々な内容になってしまった。本人も「立ち上がり制球が定まらないなか、甘く入った力のないストレートを弾かれてしまったことが反省点です。3回以降修正できたものの課題が明確に見えた投球内容でした。リズムを作ることができず、野手の方には申し訳ないです」とうなだれた。
2試合では全く正反対の内容となってしまったが、初戦で見せたピッチングは2018年に新人王を獲得したときと同様のスタイルで、走るストレートを中心にチェンジアップ、スライダーと効果的に配球されていた。昨年は「キレで勝負」と公言しており球速も出ていなかったが、今シーズンは140キロ後半もマークと明らかに力強さが戻ってきたことは好材料。東がローテーションの一角に食い込んでくれれば、他球団もうらやむ今永昇太、石田健大、濱口遥大らとの左腕カルテットローテーション形成が可能となるだけに、今年こそ完全復活が望まれる。
取材・文・写真 / 萩原孝弘