私が3か月ほど前まで付き合っていた彼は、かなり人の道から逸脱した人でした。
>>歪んだ肉体改造をする男~本当にあった怖い彼氏~<<
ある、デートの日。駅前で待ち合わせていて、私が先に着いて待っていました。すると、彼から「人身事故で遅れる」と連絡が。確かに、駅に事故のアナウンスが入っていました。
ただ、彼の家からだとそのルートを使う必要がなかったので、不思議には思いました。カフェに入り待っていると、結局、彼が来たのは2時間後でした。
また後日、2人で歩いていると、前方数十メートル先で、デリバリーの自転車と車が接触する事故が起きたんです。そこで、彼が一目散に駆け寄りました。手を差し伸べるのか…と思いきや、スマホを手にして動画を撮影していました。
私が「救急車呼んだ方がいいんじゃない?」と尋ねると、「もう誰か呼んでるよ」と言って、目を輝かせながら撮影を続けていました。
それから1か月ほどしたある日のこと。彼には甥っ子がいて、その動画を見せてくれました。そこで彼が、スマホを私に託して、トイレに行ったんです。
動画が終わったので、フォルダーを見ると、ほかにも彼が撮影したと思われる動画があり、興味本位で覗いてしまいました。そこには、自転車の接触事故のほか、人身事故の現場を撮ったものなどがありました。
さらに、電車内で男性同士が口論している動画もありました。「テメェ」など怒号が飛び交っていましたが、途中で人が仲裁に入り、ケンカは収まっていたんですね。そうしたら、最後に「もう終わりかよ」という彼のひと言が入っていました。
もし、私が事故に遭っても、この人はきっと助けてくれないだろうなと思いました。
写真・Ivan Radic