巨人・原辰徳監督が来季の4番展望を明かした。「4番・岡本、5番・中田」――。若手など別選手の名前が挙げられたわけではなく、大方の予想通りである。しかし、この“当たり前の打順”で戦い続けることができるのかどうか、それがV奪回のカギとなりそうだ。
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「いつも思うけど、ジャイアンツの4番は監督じゃなくて、やっぱり、ファンが、世の中が決めるんだよ。去年のあの状況においては、中田(翔)だったんだよ」
“重い経験談”である。原監督も「巨人の4番」の重圧に苦しみながらの現役生活だった。
セ・リーグ出身のプロ野球解説者がこう言う。
「巨人の4番、エースの重圧は言葉では言い表せないほど。4番はチャンスで打って当然、エースは勝って当たり前。負ければその責任を全て負うような。ミスをしたら、日本中からバッシングを受けるみたいな…。優勝争いのプレッシャーもあります」
複数の巨人OBも似たようなことを話していた。フリーエージェントで移籍してきた選手が成績不振に陥るのも伝統球団の重圧、露出度の高さが影響しているという。
もっとも、現在は野球中継の放送本数は少なくなっており、「ナイター放送=巨人」の時代ではなくなった。それでも、原監督が「4番はファンが決める」と言ったのは、岡本を発奮させ、さらなる成長を促すためだろう。しかし、“4番の重圧”を創り出すには、1、2番バッターの高い出塁率も必要だ。
「走者を溜めた場面で、4番が打席に立たないと。走者ナシの打席でホームランを打っても成長にはつながりません」(前出・プロ野球解説者)
今季、主に1番を任されてきたのは、吉川尚輝。打率2割7分7厘、出塁率3割2分9厘。おそらく、2023年も「1番・二塁」でスタメン出場してくると思われるが、原監督は“攻撃的な打順”を好む。坂本勇人、丸佳浩、ウォーカーなど、本来ならクリーンアップを打つスラッガーを「2番」に置く。
その「2番」について、こんな情報も聞かれた。
「外国人選手の獲得いかんで、原監督の構想も変わってくると思います。一部で報じられた前SFジャイアンツのルイス・ブリンソン外野手が獲得できるのなら、2番か3番を任せるのだろうし、増田陸がセンターの定位置を獲ったら、坂本か丸になるでしょう」(ベテラン記者)
松田宣浩、長野久義が復活すれば、「2番左翼」も考えられる。
また、先のルイス・ブリンソンだが、中日の立浪和義監督は「ウチも調査していたが」と、巨人に強奪されたような発言もしている(12月18日)。その通りだとすれば、「2番・ブリンソン」が濃厚となる。
「ブリンソンは18年から21年までマーリンズに在籍していました。レギュラーを獲れなかったのは、弱点がいっこうに改善されなかったからです。シーズン序盤で打撃不振、好不調の波が大きすぎること、右投手が苦手。身体能力が高く、才能もあるのに」(米国人ライター)
岡本、中田の一発に頼りきった打線では勝てない。「4番の重圧」の意味も違ってくる。2番打者の選考が重要だ。(スポーツライター・飯山満)