最終回は、興津(オダギリジョー)が警察に連行され、株主総会は大混乱に。代表不在で有力な委任状も奪われ、勝つ見込みがない。劣勢を強いられる中、壇上に上がる那由他(山崎賢人)だが――というストーリーが描かれた。
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※以下、ネタバレあり。
ラストでは、那由他の「ゲームには世界を一つにする力があります!」というスピーチが株主総会出席者の感動を集め、「SAGAS」側の勝利に。しかし、そんな中で全く罰せられることのない“悪役”がいたとして、ネット上から疑問の声を集めている。
問題となっているのは、やよい銀行の支店長の小山田(皆川猿時)。ストーリーの大部分ではSAGASと繋がってアトム社を貶めていた小山田だが、最終的には「宮沢ファミリーオフィス」に協力。SAGASを裏切って裏で手を回して警察に捜査させるように仕向けていたことが判明した。
那由他が株主総会でプレゼンしている裏でこの事実を突き止めた海(岸井ゆきの)らは、逃げる小山田の身柄確保に成功。その後、小山田は警察から事情聴取を受けたことまでは明かされたが、結局SAGASや銀行からの処遇がどうなったかどうかまでは描かれることはなかった。
この展開にネット上からは「なんで制裁ないの?」「中途半端すぎてモヤモヤする」「日曜劇場なのに悪役お咎めないのおかしいでしょ」「せめて警察に取り調べ受けて、謝ってるシーンくらい入れてほしかった」「勧善懲悪系ドラマなのにスッキリしない」といったブーイングが集まっている。
「『日曜劇場』と言えば、白黒ハッキリ分かれた勧善懲悪がウリ。にも関わらず、一貫して悪役だった小山田の最後が描かれていないことに不満を抱いた視聴者が多かったようです。しかし、一方で本作後半はテーマのはずのゲーム部分が『世界を一つにする力がある』という抽象的な魅力しか描かれず、企業単位の駆け引きがメインとなってしまうことに。『日曜劇場』の悪い部分だけが出てしまったという指摘も少なくありませんでした」(ドラマライター)
悪役の最後が描かれない一方で、『半沢直樹』(同)的なビジネスドラマになってしまった本作。こうした中途半端さが、低視聴率の原因だったのかもしれない――。