前日まで「2勝1敗」の照ノ富士はこの日、同じく「2勝1敗」の平幕・明生と対戦。立ち合い明生に反時計回りに動かれた照ノ富士は、体勢を揺さぶられた隙を突かれもろ差しを許す。ただ、同時に両腕を抱え込み明生の動きを封じると、最後は豪快に地面へ極め倒し勝利した。
多少苦戦したものの金星を許さなかった照ノ富士だったが、取組後の一礼を終え勝ち名乗りに移る際、3秒ほどかけてゆっくり腰を下ろすなど両膝をかばうようなそぶりを見せる。また、土俵を降りる際も膝をほとんど曲げず突っ張った状態で足を動かしていた。
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この照ノ富士の姿を見て、ネット上のファンからは「照ノ富士一応勝ったけど明らかに動きがおかしいな」、「取組中も踏ん張りきいてないように見えたし相当ひざの状態悪そう」、「昨日もひざかばってたしかなり重症っぽくない?」、「まだ残り11日もあるのに…もしかして最後まで耐えられないんじゃないか」といった心配の声が相次いだ。
「膝の動かし方が不穏だと心配されている照ノ富士ですが、押し出しで勝利した前日の平幕・琴ノ若戦後も、右膝を一度振ってからゆっくり腰を下ろすなど、古傷を抱える両膝を気にしたようなそぶりを見せています。また、膝の影響もあるのか今場所は初日から相手にうまく圧力をかけられずに苦戦する相撲が目立っており、2日目の平幕・翔猿戦では懐に入られると成すすべなく寄り切られ金星を許しました。照ノ富士の両膝不安は今に始まったことではないとはいえ、まだ全日程の3分の1も消化してない序盤の段階で、膝を曲げるのにもひと苦労というような姿を見せたことはあまりありません。直近の場所と比較しても両膝の状態が芳しくないことは明白で、この調子だと残り11日間も苦戦が続く可能性はもちろん、場合によっては途中休場に追い込まれる可能性もゼロではないのでは」(相撲ライター)
15日の5日目は、立ち合いからの鋭い出足を武器に初日から4連勝中の平幕・玉鷲に圧倒され敗れた照ノ富士。早くも優勝が厳しくなってきている状況だが、ここから踏ん張り復調を果たすことはできるのだろうか。
文 / 柴田雅人