日本時間9月12日のアストロズ戦は、2番・DHで出場した大谷の34号2ランで幕を明けた。しかし、試合は4対12で完敗…。「孤軍奮闘」は今さらだが、前日の同カードで「投手・大谷」はちょっとしたアクシデントに見舞われた。
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「右手指のマメがつぶれ、緊急降板しました。試合後、『次回の先発登板に影響がない』とするネビン監督代行の言葉に、報道陣もホッとしましたが」(米国人ライター)
「規定投球回数」に到達する可能性があるからだ。
大谷は5回で降板。この時点での投球イニング数は、141回。ネビン監督代行の言葉通り、17日(現地)も先発できるのであれば、「規定回数の162回」に届くだろう。
すでに「規定打席数」には到達している。投打の両方で規定数に到達すれば、史上初の快挙となる。まさに“二刀流の究極スタイル”であり、MVP争いで「大谷推し」の米記者たちの根拠ともなっている。
こうした「投手・大谷」の規定回数到達への関心が高まる中、こんな声が出始めた。
「米スポーツ専門チャンネル・ESPNがMVPの投票権を持つ記者にアンケートを行ったんです」(前出・同)
ユニークな回答があったという。
「MVPはジャッジ、大谷を賞レースから締め出すのは宜しくないから、サイ・ヤング賞で投票する」と――。
ア・リーグMVPは、ジャッジか、それとも、大谷? この激論は過熱していくばかりだったが、関係者たちはミョ~に納得していたという。
大谷の投手成績は、右手指のマメで降板した時点で、12勝8敗、防御率2・55。QS率58・3%。サイ・ヤング賞はシーズンで最も活躍した投手に与えられるものだ。
前年のア・リーグ同賞に輝いたロビー・レイ(ブルージェイズ、現マリナーズ)は「13勝」だったが、193・1イニングを投げている。また、同賞の今季の最有力候補は、16勝3敗、防御率1・84のジャスティン・バーランダー投手(アストロズ)とされ、規定回数にギリギリで到達する大谷の投手成績では、どうしても見劣りがしてしまうが…。
「おそらく、大谷はサイ・ヤング賞の最終候補に残ると思われます。ジャッジとのMVP争いで大谷の投手成績が加算されるように、サイ・ヤング賞では『打者成績』がプラスポイントになりそう」(前出・同)
定義に則れば、サイ・ヤング賞は投球成績だけを評価して選ぶもの。しかし、投票する記者陣も“野球ファン”なので、二刀流がもたらすインパクトに左右されるかもしれない。
「MVPとサイ・ヤング賞の両方を大谷が受賞することになったら(笑)」(現地メディア)
いっそ、特例でMVPはジャッジと大谷のダブル受賞にしたら?
ジャッジもスゴイ。バーランダーも素晴らしい活躍を見せてくれた。「投手・大谷」が規定回数に近づいたことで、賞レースはさらに混乱を極めそうだ。(スポーツライター・飯山満)